著者
奥 雄介 松延 毅 冨岡 拓矢 荒木 倫利
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.251-255, 2016-06-10 (Released:2016-09-27)
参考文献数
18

睡眠時無呼吸症候群 (Sleep Apnea Syndrome: SAS) を疑う場合, 問診, 簡易スクリーニング検査を施行し, 必要に応じて終夜睡眠ポリグラフ検査 (Polysomnograph: PSG) をおこなうことが一般的である. 現在本邦において CPAP の保険導入適応は, 簡易モニターで無呼吸低呼吸指数 (Apnea Hypopnea Index: AHI)≧40または PSG で AHI≧20となっている. しかし, 簡易モニターでは SAS 以外の睡眠障害を把握できないため, 診断には脳波, 筋電図, 眼電図なども含まれる PSG が望ましい. PSG 施行中にてんかん波形がみられた症例を経験したので報告する. PSG で SAS に加えて脳波異常が認められ, その後の脳波検査で特発性全般てんかんと診断された. 本症例のように SAS に他の睡眠障害が合併する可能性も留意しておく必要がある.