著者
岡島 正純 佐伯 修二
出版者
日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.745-750, 2011 (Released:2012-01-30)
参考文献数
14
被引用文献数
2

要旨:見えない傷の手術とも呼ばれる単孔式内視鏡手術は,その名の通り,術創が臍の中に隠れてしまうため,整容性に優れた手術である.一方で従来の腹腔鏡手術の基本的なトロッカー配置を崩しており,手技が困難であることは否めないが,胆嚢摘出術を単孔式で行ってみると,技術的に不可能ではなく,むしろ実地臨床で行うことができることがわかった.このような経緯から,その症例数は着実に増加している.今後は単孔式内視鏡手術研究会などの活動を通じて,より安全,確実な手技と機器,器具の開発が望まれる.また,整容面だけではない本術式の利点についての研究も今後の大きな課題であろう.