著者
奥村 智永子 岡崎 やよい
出版者
Japan Lingual Orthodontic Association
雑誌
日本舌側矯正歯科学会会誌 (ISSN:18836216)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.22, pp.64-68, 2011

歯科医院における歯科衛生士の教育は難しく悩む事が多い。特に矯正歯科医院においては一般歯科医院とは異なり結紮や口腔筋機能療法、口腔内および顔面写真の撮影、診断資料の作製をはじめとする特殊な技術や知識が必要である。さらに、リンガル、ラビアル、セルフライゲーションなど装置の種類も多岐にわたり、それぞれの装置の取り扱いも日々多様化してきているため、一度習得した知識や技術が恒久的に使えるものではない。<br>また、矯正歯科医院で働く歯科衛生士は少なく、養成学校卒業後4年間の就職状況をみると、一般歯科209名に対して、矯正歯科28名と少ないことが解り(図1)、今後も矯正を専門的に指導できる歯科衛生士は少ないと考えられる。<br>そこで、今回は新たなスタッフを迎え指導するにあたり、当院が工夫しているスタッフ教育の内容について3つのポイントに分けて報告する。