著者
傳法 昌広
出版者
日本舌側矯正歯科学会
雑誌
日本舌側矯正歯科学会会誌 (ISSN:18836216)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.31, pp.6-34, 2021 (Released:2022-06-11)

矯正治療におけるガミースマイルの改善は患者,術者ともに術後の満足度を上げる.しかし,ガミースマイルの改善は容易ではなく,むしろ術後に歯肉の露出を悪化させることもある.ガミースマイルの原因を把握し,その原因の改善を行うことが重要といえる.ガミースマイルの原因は口唇,歯肉に分類される軟組織および骨,歯に分類される硬組織に分けられる.また,原因は一元性とは限らず,多数の原因が絡まりあい発生することもある.本稿ではこれらの原因をチャートにまとめ,それにのっとった治療法でガミースマイルを改善した3症例を提示する.
著者
山本 照子
出版者
日本舌側矯正歯科学会
雑誌
日本舌側矯正歯科学会会誌 (ISSN:18836216)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.24, pp.31-42, 2014 (Released:2015-07-19)
参考文献数
35

近年,国内外において,ミニインプラントを固定源に用いた矯正歯科治療が急速に普及してきた.なかでも,矯正歯科医が自ら埋入可能な歯科矯正用アンカースクリューは,上下顎歯槽骨において様々な部位に植立でき,術式も比較的簡単で,術後の痛みも軽微である.本稿では,歯科矯正用アンカースクリューの薬事承認の経緯,これまでの臨床応用,安全性と安定性を考慮したアンカースクリューの最適な長さについての最新の研究について報告する.
著者
相澤 一郎
出版者
日本舌側矯正歯科学会
雑誌
日本舌側矯正歯科学会会誌 (ISSN:18836216)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.25, pp.59-69, 2015 (Released:2016-06-22)
参考文献数
5

舌側からの矯正治療は,装置の審美性や患者の生活環境からインビシブルな装置として大変魅力的な治療方法として年々舌側矯正装置で治療を希望される患者も増加していると思われる.舌側矯正装置の選択肢も増え,治療のメカニクスについても日々進歩しており,日本舌側矯正歯科学会でもリンガル矯正ベーシックタイポドント講習会を毎年開催し,装置の種類にとらわれず,舌側矯正特有のバイオメカニクスの理解やテクニカルスキルの向上を図っている. セミナーのプログラムではリンガル患者への緊急対応・患者管理の講義をおこなっており,本稿では舌側矯正でおこりやすい初期トラブルを含め対応策について考察していきたい.

1 0 0 0 OA 症例報告

著者
近川 美喜子 三代 納央美 高橋 治 栗岡 宏行
出版者
日本舌側矯正歯科学会
雑誌
日本舌側矯正歯科学会会誌 (ISSN:18836216)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.21, pp.63-71, 2010 (Released:2012-03-28)

1.咬合平面カントと片側臼歯部欠損を伴う成人反対咬合症例・・・近川 美喜子2.上下顎叢生症・・・三代 納央美3.非抜歯叢生症例・・・高橋 治4.抜歯部位を考慮した成人上下顎前突症例・・・栗岡 宏行
著者
布川 隆三
出版者
日本舌側矯正歯科学会
雑誌
日本舌側矯正歯科学会会誌 (ISSN:18836216)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.25, pp.21-32, 2015 (Released:2016-06-22)
参考文献数
9

過蓋咬合を伴うAngle ClassII Div1症例に対して,リンガルブラケット矯正法により上下顎歯列弓に対して歯科矯正用アンカースクリューを併用して治療したところ,II級咬合関係の改善のみならず,上下顎前歯の圧下に加えて上下顎歯列全体が圧下された結果,良好な咬合関係および顔貌変化を得た症例を報告する.
著者
奥村 智永子 岡崎 やよい
出版者
Japan Lingual Orthodontic Association
雑誌
日本舌側矯正歯科学会会誌 (ISSN:18836216)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.22, pp.64-68, 2011

歯科医院における歯科衛生士の教育は難しく悩む事が多い。特に矯正歯科医院においては一般歯科医院とは異なり結紮や口腔筋機能療法、口腔内および顔面写真の撮影、診断資料の作製をはじめとする特殊な技術や知識が必要である。さらに、リンガル、ラビアル、セルフライゲーションなど装置の種類も多岐にわたり、それぞれの装置の取り扱いも日々多様化してきているため、一度習得した知識や技術が恒久的に使えるものではない。<br>また、矯正歯科医院で働く歯科衛生士は少なく、養成学校卒業後4年間の就職状況をみると、一般歯科209名に対して、矯正歯科28名と少ないことが解り(図1)、今後も矯正を専門的に指導できる歯科衛生士は少ないと考えられる。<br>そこで、今回は新たなスタッフを迎え指導するにあたり、当院が工夫しているスタッフ教育の内容について3つのポイントに分けて報告する。
著者
名取 晶子
出版者
Japan Lingual Orthodontic Association
雑誌
日本舌側矯正歯科学会会誌 (ISSN:18836216)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.21, pp.84-108, 2010

日本舌側矯正歯科学会(JLOA)第22回学術大会が2010年3月21日(祝)に大阪市北区の大阪リーガロイヤ「松の間」にて開催された。学術大会当日は悪天候の中、約150名の先生のご参加をいただき、舌側矯正に対する大きな関心をうかがわせた。<br>初めに布川 隆三JLOA会長が開会の挨拶をされ、第22回学術大会が始まった。<br>午前最初の発表は小森 成先生が「Kommon Baseに最適化した材料の評価」、下田 哲也先生が「リンガル矯正における改良型ジグの考案」の演題で講演され、座長を上野 拓郎先生が務められた。<br>次に、L.Lombardo先生が「Wire load-deflection characteristics relative to different types of brackets」の演題で講演され、座長を橋場 千織先生が務められた。コーヒーブレイクの後、本田 正明先生とYoung Hoon Yun先生が特別講演として「A new paradigm in orthodontic treatment 矯正治療における新しいパラダイム:治療咬合に基づいた矯正治療」の演題で講演され、座長を布川 隆三先生が務められた。<br>午後からは中島 健先生の司会で、JLOA総会が行われ、吉田 哲也先生よりご報告があった。その後、島本 和則先生が特別講演として「My history of 50years as an orthodontist(Two Stage System) 矯正道を歩んで50年」の演題で講演され、座長を松野 功先生が務められた。 最後に竹元 京人先生とGiuseppe Scuzzo先生が「My Lingual Straight Wire Method Part 1,Part 2」の演題で講演され、座長を重枝 徹先生が務められた。<br>最後の質疑応答では、座長を廣 俊明先生が務められ、会場からの質問もあり、活発な意見交換がなされた。<br>閉会の挨拶を重枝 徹先生がされ、無事に日本舌側矯正歯科学会(JLOA)第22回学術大会が終了した。<br>これからの舌側矯正の新たな方向性を示す、大変実りある内容で、充実した一日であった。<br>今回参加された先生方や関係者の皆様、そして演者の先生方、大変お疲れさまでした。