- 著者
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岡本 和花
- 出版者
- 一般社団法人 日本家政学会
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.69, 2017
<b>目的</b> 近年, 我が国の防災に対する関心は高まってきている. 教育あるいは保育の現場も同様であると考えられる.そこで本研究では, 保育者が防災についてどの程度, 正しい知識を備えているかを調査することによって, 保育者の防災に対する関心を知る手がかりとすることを目的とした.<br><b>方法</b> 調査時期は, 2016年10月上旬~12月末, 調査対象者は, 新潟県, 栃木県, 静岡県の3県における就学前施設に勤務する保育者670人と教員養成系大学生48人を対象とし, 防災に関する知識を問う設問を含めた質問紙調査を行った.なお, 知識に関する設問は東京都が出版している『東京防災』を参考に6題作成した.<br><b>結果</b> 知識項目6題の平均正答率は, 保育者が68.3%, 大学生が64.6%であった. 設問ごとに保育者と大学生との正答率を比較したところ, 避難生活での子どもへの接し方に関する質問1では, 保育者, 大学生ともに正答率は高かった. 避難口の確保に関する質問3と避難する際の車の使用に関する質問2では, 保育者と大学生で差がみられた. 質問3の正答率は, 大学生より保育者の方が高かった(保育者正答率=86.0%, 大学生正答率=66.7%). 一方, 質問2の正答率は, 保育者より大学生の方が高かった(保育者正答率=52.2%, 大学生正答率=77.1%). 以上より, 保育者の防災知識には偏りが見られた.