著者
箕越 靖彦 岡本 士毅 志内 哲也
出版者
生理学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

摂食行動の発現・調節機構を理解するためには、摂食に関わる神経回路網を明らかにするだけでなく、生体のエネルギーレベルを脳がどのように感受し、その情報を神経活動および摂食行動にどう変換するかを解明する必要がある。我々は、本研究において、室傍核CRHニューロンのAMPKが、絶食後の高炭水化物食と高脂肪食の食物選択行動を調節することをマウスを用いて見出した。室傍核CRHニューロンのAMPKが活性化することは、高炭水化物食の選択行動を引き起こす必要かつ十分であった。この実験結果は、生理学的、病態生理学的な食物選択行動の調節に室傍核CRHニューロンのAMPKが関与することを示す重要な発見である。