- 著者
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須見 洋行
岡本 猛
- 出版者
- The Japan Society of Home Economics
- 雑誌
- 日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
- 巻号頁・発行日
- vol.54, no.5, pp.337-342, 2003-05-15 (Released:2010-03-10)
- 参考文献数
- 9
- 被引用文献数
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テンペ水抽出液に強い血栓溶解活性を確認した.水抽出液の凍結乾燥物1g当たりの活性はウロキナーゼに換算して450 IUであった.この血栓溶解活性を示す主要な酵素は, 等電点電気泳動の結果から, 等電点は約8.7であり, その分子量はゲルろ過の結果から約30,000と推測された.この酵素は血栓タンパク質 (フィブリン) だけでなく, 弱いながらSuc-Ala-Ala-Pro-Phe-pNAおよび H-D-Val-Leu-Lys-pNAも分解し矢印は, 分子量スタンダードの溶出位置を示す. (1) : サイログロブリン (分子量670,000), (2) : γ-グロブリン (分子量158,000), (3) : 卵白アルブミン (分子量44,000), (4) : ミオグロビン (分子量17,000), (5) : ビタミンB12 (分子量1,350).た.さらに, 65℃以上で失活し, 1mM/lのジイソプロピルフルオロリン酸および1mg/mlのエラスタチナールによって強く阻害された.Suc-Ala-Ala-Pro-Phe-pNA分解に対するエラスタチナールの阻害は競合的であり, Ki値は9.8×10-8Mであった.