- 著者
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岡村 雅仁
西脇 廣治
- 出版者
- 県立広島大学
- 雑誌
- 県立広島大学経営情報学部論集 (ISSN:18827985)
- 巻号頁・発行日
- no.2, pp.51-63, 2010-02
平成18年度の「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」(現代GP)として「経営情報実践的総合キャリア教育の推進」が文部科学省により採択された。このプログラムは,35人の学生が参加して平成19年度で終了したが,平成20年度以降は,フォローアップ事業として継続している。平成20年度は,前期18人,後期9人の計27人の学生がインターンシップ受入先15社で約2週間の実習を行った。学生,受入先責任者,教員の三者が自己点検シートを使ってインターンシップ派遣前(事前評価),派遣後(事後評価)の2回,情報スキル,規律性,協調性,積極性,プロセス貢献を合む成果など15評価項目についてのアンケートを実施している。本論文は,アンケート結果をまとめたものである。その概要は,①全体として事前評価よりも事後評価の点数が高い,②学生自身の評価をみると,学生27人のうち15名が目標とのギャップを解消する方向に進んでいる,③受入先による評価をみると,目標とのギャップが計算できた学生20人のうち19人が目標とのギャップを解消する方向に進み,④教員による評価では,学生27人のうち26人が目標とのギャップを解消する方向に進み,目標達成に近づいた。アンケートでは事前評価と事後評価の点数が同点のため目標達成度がゼロになるケースや未回答の評価項目がみられた。特に,平成20年度前期は,受入先13社のうち新規受入先が半分強の7社と多いために,回答率が低くなったものと思われる。また,実習内容の多様化により,平成20年度前期の「業務プロセスのモデリングの意義,目的」,「業務プロセスの改善策の提案,またはモデル化」,「成果」の3項目の回答率は,他の評価項目と比べて低くなったと考えられる。同じ評価項目を使用した平成20年度後期の回答率が100%に急回復しているとはいえ,実習内容の多様化に応じて質問内容を見直す必要がある。