著者
岡田 康太
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.160_2, 2017

<p> 近年、広島東洋カープファンがマスコミによって報じられる機会が増えたことに疑いの余地はないだろう。これまでもカープを応援し続けてきたファンに、若年層を中心とした新規のファンが加わったことで、さらに熱狂的な応援をしている。このようなカープファンが、カープに関する知識をどの程度持っているのかを調査することは非常に興味深い。そこで本研究では、カープファンが、カープに関する知識をどの程度持っているのかを調査し、その傾向や特徴を明らかにすることを目的とした。カープファン全体においては、過去の歴史に関する内容よりも、過去から現在まで継続的に行われていることに関する内容の方が高い値を示した。しかし、過去の歴史に関する知識には個人差があり、これに精通しているファンも少なからず存在していることが明らかとなった。また、現在の事実に関する内容に対しても高い値を示した。女性ファンにおいては、過去の歴史に関する内容よりも、現在の事実に関する内容の方が高い値を示した。これらの結果から、カープは過去の歴史を中心として伝えていくことで、ファンにとってより魅力的な球団となり、ファンを維持・増加できる可能性が考えられた。</p>
著者
岡田 康太 東川 安雄
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.191_1-191_1, 2016

<p> 2015年度シーズン第1クール終了時点で、広島東洋カープはセ・リーグ最下位という成績にも関わらず、観客動員数はセ・リーグ6球団で最も高い比率で増加していた。これまでのプロ野球界では、勝利の喜びをファンと選手で共有することや華麗なプレーを見せることが、観客動員数やファンの増加に直結するという考え方が主流であったように思われる。このような中で、カープは必ずしも良い成績を残さなくても、観客動員数やファンを維持・増加させてきた。この現象から、カープファンには優勝や勝利といった成績以外に大きな価値を持ったものが存在している可能性があると推測された。そこで本研究の目的を、カープファンの成績以外の期待や欲求を調査・分析し、明らかにすることとした。まず、カープファンは、成績への期待もあるが、その他の大きな期待が存在していることを確認した。そして、カープファンは成績以外に、2015年度シーズンからカープに復帰した黒田博樹投手に関する期待と、ただカープを応援したいという欲求があることを明らかにした。これらのことから、カープは今後も成績に関係なくファンに支えられ、これまでと同様に黒字経営が可能であると考えられた。</p>