- 著者
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岡田 慶一
- 出版者
- 北関東医学会
- 雑誌
- The KITAKANTO Medical Journal (ISSN:13432826)
- 巻号頁・発行日
- vol.59, no.1, pp.9-14, 2009
- 被引用文献数
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<B>【背 景】</B> 介護老人保健施設で認知症高齢者が急増. <B>【目 的】</B> その摂食・嚥下障害の対策と結果を報告する. <B>【対象と方法】</B> 当施設の摂食・嚥下障害は56例. 平均年齢84.2歳. 医師, STの所見の対策と効果を検討. 効果を4段階評価した. <B>【結 果】</B> (1)食思の問題(2)嗜好の問題(3)食物認知の問題(4)拙劣な摂食動作の問題(5)咀嚼から嚥下運動の問題5項目に分類. 更に14中項目, 23小項目で対策を立て, 実施評価した. 食思の発動性の低下, 異常な確信, 固執は効果があり. うつ状態や食事健忘, 食欲の異常な亢進・盗食は効果は小. 甘い物, 飲み物, 汁物のみ口にするは効果あり. とろみ, ミキサー食の拒否は効果は少ない. 食物認知で注意の問題は効果あり. 摂食スピードの異常は効果あり. 拙劣な摂食動作は一部効果あり. 咀嚼から嚥下への移動困難は効果少であった. <B>【結 語】</B> 認知症高齢者摂食・嚥下障害の対策は約50%が有効であった.