著者
奥平 真紀 内潟 安子 岡田 泰助 岩本 安彦
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.781-785, 2003-10-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
9
被引用文献数
6

2型糖尿病患者の合併症予後に検診と治療中断が及ぼす影響を検討した.対象は1998年11月から1999年1月までに東京女子医科大学糖尿病センターを初診した2型糖尿病患者133名である.検診で糖尿病を発見された『検診発見群』76名は『検診以外発見群』57名と比べ, 治療中断の頻度及び合併症重症度に差異はみられなかった.1年以上の治療中断歴をもつ『中断あり群』48名は『中断なし群』85名と比べ, 有意に合併症は重症化しており (p<0.0005), 更に中断年数が長くなるほど合併症は重症化していた (p<0.0001).一方, 検診を受けていても治療中断をすると, 合併症は重症化していた (p<0.01).糖尿病合併症の発症には検診で発見されたかどうかは関係がなく, 治療中断が大きな影響を与えていることが明らかになった