著者
岡米 太郎
出版者
THE JAPAN INSTITUTE OF ENERGY
雑誌
燃料協会誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.29, no.9, pp.216-224, 1950

要旨我が国の職前に於ける原油輸入の歴史, 状況及び主なる輸入原油の性状に就て述べ, 次いで職後初めて日本石油に輸入されたアラビヤ原油 (アブカイク産) の性駅及び同社柏崎製油所に於けるNNO蒸溜 (2000kl/月) 成績を示し, 同原油がパラフィニックで硫黄含量に富み, ガソリン分はオクタン価が低いが実用には差支えない, 軽油のセタン価は高く優秀である, パラフィンは高融点分に冨み対原油収率は約2%である, 潤滑油は溶剤脱蝋, 硫酸及び白土処理により高粘度指数の良好な竜のを製造し得る, アスファルトは良い志のが得られない等を述べた6なお硫黄による装置の腐蝕の防止策とガソリン及び燈油溜分中に含まれる硫黄成分の分析結果を示した。<BR>更に太平洋岸製油所再開と原油輸入が許可されたこと及び最近の原油輸入計画, 石油製品の製造計画を述べた。最後に原油の輸入, 精製に関する2, 3の問題, 即ち外国原油特にアラビヤ原油と国産原油との性状及び価格の比較, 製油設備とその管理の問題を論じた。