- 著者
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横堀 進
- 出版者
- THE JAPAN INSTITUTE OF ENERGY
- 雑誌
- 燃料協会誌 (ISSN:03693775)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.3, pp.95-99, 1951
蒸汽機関車用自動給炭機の各種型式の利害得失を歴史的に論じ, 次に国鉄で採用された蒸汽噴流撒布式自動給炭機の構造と性能を紹介して居る。<BR>構造は炭水車より焚口までスクリユコンベヤがあつて, 之に依り炭水車より焚口迄自動的に石炭が運ばれ, その間に粉碎も行われる。焚口にて撒布台に落下し蒸汽にて撒布される。此際, 撒布台について居る案内板に依り火格子各部に於ける撒布の均一性が保たれる。コンベヤの動力は, 2シリンダー複動蒸汽機関で, 蒸汽の使用量は撒布用のものを含めて発生蒸汽の約1~2%であって, 又, 石炭輸送能力は450~1, 925kg/hrの広範囲に亘り良く作動し, 粉砕能力の1例を示すと, 給炭が25~37mmの中塊のみの時, 焚口の粒度は13mm以下の粉炭が52%, 元の粒度のもの13%を示して居る。<BR>燃焼状態は手焚の時に較べて非常に改善され, 例えば過剰空気量25%の時CO発生量は手焚の時0.4%のものが, 自動給炭機にて0.05%と低下した。之は投炭の際の過剰空気の入る事が少いことと蒸汽に依る燃焼の促進に依ると述べて居る。然し, 罐効率は反対に手焚の場合より低く, 燃焼率400~450kg/m<SUP>2</SUP>hr, 5, 510kcal/kg発熱量の石炭を用いた路上試験に於て約6%低く, 石炭使用量に於て約7%多くなつたと述べ, 之はシンダ損失に依るものであろうと述べて居る。<BR>然し, 以上の欠点は今後次第に改良されるものと思われ, 機関車が大型となると共に, 自動給げ炭機は必須なものになるであろう。