著者
佐々木 郁子 岡野 知子
出版者
公益財団法人 メルコ学術振興財団
雑誌
メルコ管理会計研究 (ISSN:18827225)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.15-23, 2013

東日本大震災後,BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)/BCM(Business Continuity Management:事業継続マネジメント)の有効性が注目されている。一方,被災した企業は多大な労力と資金を費やし事業再開を果たしている。本稿では,BCPを利用して事業継続を成功させた事例と,政府の被災企業支援の補助金の枠を越えて将来の発展に向けた設備投資と減災のための設備投資によって事業再開を果たした事例を取り上げる。これらの事例から事業継続・事業再開には,BCP/BCMのような危機管理システムは限定的ではあるが有効であること,事業再開までの従業員のモチベーション維持と危機を見据えた企業間の協力関係,設備投資のための資金計画・融資協力をしておくことが重要であることが明らかになった。