- 著者
-
岩下 輝美
吉田 寿雄
岡田 研也
- 出版者
- 一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
- 雑誌
- 臨床リウマチ (ISSN:09148760)
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.1, pp.37-44, 2015-03-30 (Released:2015-04-30)
- 参考文献数
- 16
ミゾリビンの関節リウマチ患者に対する使用実態の把握,使用実態下における安全性・有効性に関する情報を収集し,本剤の適正使用に資することを目的として,2008年10月~2010年10月の間に本剤が投与開始された関節リウマチ患者を対象に市販後調査を実施した.安全性解析対象症例3,325例の平均年齢は66.2±12.5歳で,65歳以上が61.1%,75歳以上が28.4%であった.合併症は59.3%に認められた.副作用は330例に392件発現し,副作用発現症例率は9.92%,重篤副作用発現症例率は1.32%であった.EULAR改善基準で有効性を評価した結果,24週後の治療反応性はgood response13.4%,moderate response32.6%,no response54.0%であった.65歳以上と未満で,副作用発現症例率と有効性には差は認められなかったが,重篤副作用発現症例率は65歳以上が未満と比較して有意に高かった.本調査において,ミゾリビンは高齢者や合併症のあるリスクの高い症例に多く投与されていたが,比較的有効で安全な投与が可能であったことから,このような症例に対してはミゾリビンが選択肢の一つになり得ると考えられた.