著者
阪井 裕太郎 黒倉 壽 多田 智輝 野村 翼 八木 信行
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.22-00041, (Released:2023-02-22)
参考文献数
19

東京都特別区においてランダム抽出した鮮魚販売店で丸のマアジとマイワシをサンプリングし,Fish AnalyzerTM Proを用いて品質を調査した。得られたデータを主成分分析とクラスター分析にかけることで,小売店の販売戦略の類型化を試みた。品質調査から,サンプリングされた魚の大半は生食には適さない鮮度であることや,脂肪度の範囲がマイワシで特に大きいことが分かった。統計解析からは鮮魚販売店の戦略が大きく4つに分類できることが示され,品質を含むデータセットを用いた販売戦略類型化の有用性が示唆された。
著者
木下 祐希 八木 信行 阪井 裕太郎
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.331-339, 2019

<p> 産地卸売市場における水産物価格形成メカニズムの一端を解明することを目的として,日本の漁港におけるデータを基にセリの形式の差異が水産物価格に与える影響の有無とその傾向を分析した。具体的には,三重外湾漁協を対象にセリに関する質問票調査と,イセエビの日毎の漁獲量と落札価格のデータをもとに,統計分析を行った。その結果,価格が高い傾向にあるセリの運営方法として,落札額だけではなく各仲買人の入札額まで公開していること,仲買人の人数が多いこと,1回のセリ毎のイセエビの取引重量が大きいこと,などが見出された。</p>
著者
木下 祐希 八木 信行 阪井 裕太郎
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.331-339, 2019-05-15 (Released:2019-05-24)
参考文献数
26

産地卸売市場における水産物価格形成メカニズムの一端を解明することを目的として,日本の漁港におけるデータを基にセリの形式の差異が水産物価格に与える影響の有無とその傾向を分析した。具体的には,三重外湾漁協を対象にセリに関する質問票調査と,イセエビの日毎の漁獲量と落札価格のデータをもとに,統計分析を行った。その結果,価格が高い傾向にあるセリの運営方法として,落札額だけではなく各仲買人の入札額まで公開していること,仲買人の人数が多いこと,1回のセリ毎のイセエビの取引重量が大きいこと,などが見出された。
著者
望月 政志 大石 太郎 八木 信行
出版者
富民協会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.391-396, 2013-09-25
参考文献数
15

2011年3月11日の東日本大地震による原発事故以来,原発依存からの脱却と再生可能エネルギーを用いたエネルギー代替の可能性,レジリアントなエネルギーの在り方が注目されている。そうした中で,世界第6位の排他的経済水域を有する我が国においては海洋再生エネルギーへの期待も大きく,中でも洋上風力発電は,大きなポテンシャルを有することが指摘されている。最近では,同じ海面を利用する漁業と洋上風力発電の共存共栄についても検討されてはいるものの,現時点では洋上風力発電所建設に伴う漁業への影響は不明である。他方,漁業の盛んであった被災地では,被災した漁業の復興を目指すのか,あるいは洋上風力発電を通じて再生可能エネルギーを提供していくべきかについて,補助金等を通じた政策的意思決定をどのように進めていくのか明らかにすることが求められている。そうした状況において国内における洋上風力発電の経済波及効果に関する分析は政策的判断をする上で重要と思われるが,既存研究ではほとんど行われていない。また,先駆的研究である松本・本藤では産業連関表を用いた風力発電の経済波及効果の分析を行っているが,洋上風力と陸上風力を区別しておらず,雇用効果のみの分析に留まっている。また,被災地での洋上風力発電に関する経済波及効果については,石川他が洋上風力発電による生産額からみた東北地域(岩手,宮城,福島)での経済波及効果の分析を行っているが,洋上風力発電所建設による直接投資によって生み出される経済波及効果に関する分析は行われていない。そこで本研究では,今後の震災復興における洋上風力発電や漁業振興への政策的意思決定に資する情報提供を行うことを目的として,以下の分析を行う。第一に,洋上風力発電所建設および建設に向けての計画や建設後のメンテナンス等を含むコストを洋上風力発電所設置への投資とみなし,その投資から生み出される経済波及効果を全国レベルおよび地域レベルで試算する。全国レベルでは,「平成17年(2005年)産業連関表」(総務省)を用いた全国での経済波及効果を試算し,国内にて洋上風力発電所を設置した場合の一般的な経済波及効果についてみる。地域レベルでは,海面漁業における被災漁船の被害額が全国で最も大きかった宮城県を事例に取り上げ,宮城県で洋上風力発電所設置に投資した場合の経済波及効果について「平成17年宮城県産業連関表」(宮城県)を用いて試算する。第二に,震災復興に向けて被災漁船の修復・建造のための設備投資を行った場合の経済波及効果と同等の投資を洋上風力発電に対して行った場合の経済波及効果を金額ベースで試算し,両者の比較を行った。第三に,洋上風力発電所が生み出す経済価値(年間発電金額)を試算した。また,宮城県の被災漁船の修復・建造によって生み出される経済価値(海面漁業生産額)についても試算し,洋上風力発電からと被災漁船の修復・建造から生み出される経済価値についても比較した。なお,洋上風力発電の基礎設置形式には,設置海域の水深の違い等により,風車を海底に固定させる着床式と風車自体を海に浮かべる浮体式の設置形式があるが,現時点では着床式が主流でありデータが充実していることから,本稿では着床式の洋上風力発電を想定し試算した。
著者
八木 信行 岩下 輝美 小柳 隆之 石川 浩明
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.73-78, 2010-03-30 (Released:2016-02-26)
参考文献数
16

目的:関節リウマチ患者を対象に実施したPMSの症例を用いて,腎機能別のミゾリビンの有効性と安全性ならびに腎機能への影響を検討した. 対象・方法:対象は1,805例の登録症例のうち,24週時にACRコアセットによる評価が実施され,投与開始時の推定腎機能(eGFR)が算出可能であった417例とした.eGFRはsCrと年齢から,日本腎臓学会CKD対策委員会が作成した日本人のeGFR推算式から算出しCKD stageに分類した.有効性はACRコアセットの20%改善症例率を検討した.有害事象は担当医師が本剤との因果関係を完全に否定したものを除き副作用と分類した. 結果:CKD stageによるACR20の改善率は有意な差を認めなかった.副作用の発現頻度にもCKD stageで発現頻度に違いはあるが,有意な差は認めなかった.腎機能は各CKD Stageとも腎機能低下は認めなかった.特にStage 3では,開始時のeGFRが50.2mL/min/1.73m²±7.0から24週後には60.2mL/min/1.73m²±17.9と有意な腎機能の改善が認められ,Stage 2でも同様であった. 結論:ミゾリビンはCKD stage 3までの患者や,高齢RA患者に対しても比較的使用しやすい薬剤ではないかと考えられた.