著者
山西 敏彦 岩井 保則 磯部 兼嗣 杉山 貴彦
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 = Journal of plasma and fusion research (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.83, no.6, pp.545-559, 2007-06-25
参考文献数
36

核融合炉施設は核融合を起こす燃料として,放射性物質であるトリチウムガスおよび副次的に生じる高濃度トリチウム水を大量に取り扱う施設であり,施設内に設ける燃料循環システムにて処理を行い,燃料サイクルを施設内に閉じてしまうことが必要となる.したがって,核融合炉の安全確保と燃料サイクルの確立を目指す上で,トリチウム水の処理は鍵となる技術である.本報では,ITERにおけるトリチウム水処理システムの開発経緯,第一壁冷却水やブランケット冷却水の処理までを見通した核融合原型炉に向けた水処理総合システムの研究開発状況を紹介する.
著者
河村 繕範 中村 博文 岩井 保則 奥野 健二
出版者
社団法人プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.250-256, 2010-04-25

核融合炉では投入する燃料のほとんどは反応することなく排出される.したがって,排気される燃料を再利用するシステムが不可欠である.また,炉心を取り巻くブランケットで核融合中性子とリチウムを反応させトリチウムを製造し燃料とする.これら燃料システムの研究開発では,大量トリチウム取扱施設を有する米国との協力が大きな位置を占めることとなった.本章では,燃料システム技術開発を中心に日米協力の成果を紹介する.