著者
山田 哲哉 安部 隆士
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 = Journal of plasma and fusion research (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.82, no.6, pp.368-374, 2006-06-25
参考文献数
12
被引用文献数
10

「はやぶさ」ミッションの最終フェーズでは,小惑星のサンプルを搭載した小型カプセルが地球大気への高速再突入を行う.過酷な空力加熱環境を通過し減速された後,高度約10kmでパラシュートを開傘・緩降下し,地上にて回収される予定である.約12km/sの高速で地球再突入するカプセルが曝される空力加熱環境は非常に過酷で,カプセルは内部の小惑星サンプル,搭載機器を保護しつつ地上に到達せねばならない.空力加熱環境の把握と,それから内部を保護する熱防御システムの開発は,「はやぶさ」カプセルのキーテクノロジーの1つである.本稿は,「はやぶさ」カプセルの大気圏再突入をプラズマ現象の観点から整理し,関連の話題として,空力加熱の予測技術,加熱から機体を保護する熱防御技術,およびその試験方法等を紹介するものである.
著者
立花 章 小林 純也 田内 広
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 = Journal of plasma and fusion research (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.228-235, 2012-04-25
参考文献数
30
被引用文献数
1

トリチウムの生物影響を検討するために,細胞を用いて種々の指標について生物学的効果比(RBE)の研究が行われており,RBE値はおよそ2であると推定される.だが,これまでの研究は,高線量・高線量率の照射によるものであった.しかし,一般公衆の被ばくは低線量・低線量率である上,低線量放射線には特有の生物影響があることが明らかになってきた.したがって,今後低線量・低線量率でのトリチウム生物影響の研究が重要であり,そのための課題も併せて議論する.
著者
馬田 敏幸 笹谷 めぐみ 立花 章
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 = Journal of plasma and fusion research (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.190-197, 2012-03-25
参考文献数
34
被引用文献数
1

放射線の個体への影響について,人の疫学調査で得られた知見を一般的な観点から述べ,マウス個体を使ったトリチウム水による高線量・高線量率の研究により,何がわかっているのか明確にする.そして低線量・低線量率の放射線披ばくによる生物影響を感知する実験系をトリチウム生体影響研究に応用した研究や,必要とされている新しい高感度検出系の開発について概説する.
著者
細田,聡史
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌
巻号頁・発行日
vol.86, no.5, 2010-05-25

小惑星探査機「はやぶさ」は小惑星イトカワにタッチダウンした後,SF顔負けの幾多のトラブルを乗り越え,遙か3億キロの彼方から地球をめざして帰還中である.「はやぶさ」には日本独自のマイクロ波放電型イオンエンジンが搭載されており,探査機の機能が喪失する中で高いロバストネスを生かして稼働を続けている.特に「イトカワ」からの帰路運用では,本来の目的である軌道速度および方向の変更だけでなく,ホイールの故障により失われた姿勢制御までもサポートしており,探査機の舵を日々地球方向に向けて切り続けている.本稿では,マイクロ波放電型イオンエンジンのプラズマ生成技術や宇宙機との相互作用を,「はやぶさ」の実際の帰還運用におけるイオンエンジン運用の観点から解説し,その重要性・信頼性の高さを示すところである.
著者
田内 広 馬田 敏幸 立花 章
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 = Journal of plasma and fusion research (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.119-124, 2012-02-25
参考文献数
17
被引用文献数
1

核融合炉で利用されるトリチウムの量は少なくないことから,低濃度かつ少量のトリチウムによって生物が影響を受けるのか,そしてもし影響が出るのであれば,それはどのくらいの量(線量率)を超えれば生じる可能性があるのか,ということを科学的データによって明らかにすることが求められている.低線量放射線被ばくによる生体影響研究の現状と,これからのトリチウム生物学の方向について概説する.
著者
伊藤,智義
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, 1994-03-25

The previous and this chapters are guides for beginners of hardware. Today's advanced technology can get us to make a hand-made computer for our own purpose. Making a computer is not so difficult as many people might think. Hardware is not hard. In this section, I describe the process to develop a hand-made computer by using the equipments which I introduced in the previous chapter. In addition, I discuss the merits and potential of a special-purpose computer.
著者
伊藤,智義
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, 1994-02-25

This and the next sections are guides for begineers of hardware. Today's advanced technology can get us to make a hand-made computer for our own purpose. Making a computer is not so difficult as we think. Hardware is not hard. In this section, I introduce equipment by which even begineers can start on hardware. The cost of the equipment is 500,000- 1,000,000 Japanese yen (5,000- 10,000 U.S. dollars) . Cost of electric parts for a one board sized computer is roughly 500,000 Japanese yen (5,000 U.S, dollars).
著者
芝,清之
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, 2011-03-25

低放射化フェライト鋼の特性および照射データに関しては,国内においてはF82H鋼を中心にデータが取得されデータベース化されており,基本的な機械的特性,物理特性,熱時効特性など,機器設計に必要なデータは概ね整備されている.また,照射特性についても,HFIR照射やFFTF照射などにより,広い照射温度,照射量にわたる照射データが蓄積されている.また,F82H鋼はIEA低放射化フェライト鋼の共通鋼として,各国の照射プログラム中でも比較材料として照射されており,多くの照射データが得られている.本章ではF82H鋼の各特性データについて紹介するとともに,照射データ取得,特にIFMIF照射の基本要件となっている微小試験片技術開発の成果,機器の長寿命化に必要な耐照射性向上に向けた研究の成果についてまとめた.
著者
山田,哲哉
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌
巻号頁・発行日
vol.82, no.6, 2006-06-25

「はやぶさ」ミッションの最終フェーズでは,小惑星のサンプルを搭載した小型カプセルが地球大気への高速再突入を行う.過酷な空力加熱環境を通過し減速された後,高度約10kmでパラシュートを開傘・緩降下し,地上にて回収される予定である.約12km/sの高速で地球再突入するカプセルが曝される空力加熱環境は非常に過酷で,カプセルは内部の小惑星サンプル,搭載機器を保護しつつ地上に到達せねばならない.空力加熱環境の把握と,それから内部を保護する熱防御システムの開発は,「はやぶさ」カプセルのキーテクノロジーの1つである.本稿は,「はやぶさ」カプセルの大気圏再突入をプラズマ現象の観点から整理し,関連の話題として,空力加熱の予測技術,加熱から機体を保護する熱防御技術,およびその試験方法等を紹介するものである.
著者
芝 清之 笠田 竜太 野上 修平 中田 隼矢 大久保 成彰
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 = Journal of plasma and fusion research (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.187-194, 2011-03-25
参考文献数
35

低放射化フェライト鋼の特性および照射データに関しては,国内においてはF82H鋼を中心にデータが取得されデータベース化されており,基本的な機械的特性,物理特性,熱時効特性など,機器設計に必要なデータは概ね整備されている.また,照射特性についても,HFIR照射やFFTF照射などにより,広い照射温度,照射量にわたる照射データが蓄積されている.また,F82H鋼はIEA低放射化フェライト鋼の共通鋼として,各国の照射プログラム中でも比較材料として照射されており,多くの照射データが得られている.本章ではF82H鋼の各特性データについて紹介するとともに,照射データ取得,特にIFMIF照射の基本要件となっている微小試験片技術開発の成果,機器の長寿命化に必要な耐照射性向上に向けた研究の成果についてまとめた.
著者
宮腰 剛広 陰山 聡
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.91, no.10, pp.676-682, 2015-10

地球内部の大部分を占めるマントル層の下には外核と呼ばれる液体鉄の領域がある.液体鉄は電気伝導性の流体なので,外核の流れと磁場は磁気流体力学(MHD)方程式に従う.この液体鉄を媒質としたMHDダイナモ過程により,地球磁場(地磁気)が作られている.長い歴史をもつ地磁気の研究は,計算機シミュレーションの手法が導入された1990年代半ば,飛躍的に発展し,その後もスーパーコンピュータの進歩に伴って着実に進歩してきた.MHDシステムとしての地球外核の特徴の一つは,地球の回転(自転)が流れに及ぼす影響の強さである.その強さはEkman数とよばれる無次元量で示される.本章では,地球ダイナモの特徴を概観し,シミュレーションで実現されたEkman数の漸進という視点からまとめた地球ダイナモシミュレーション研究の成果を紹介する.
著者
柴崎 徳明
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.p466-469, 1994-05

The rotation of neutron stars with strong magnetic fields induces huge electric fields in the magnetosphere, which accelerate charged particles to more than 10^<12>eV. High energy particles radiate TeV photons through the inverse compton and curvature radiation processes, which produce electron-positron pairs in the magnetic and electric fields. Each member of the pair radiates synchrotron photons, many of which produce a secondary generation of pairs. This cascade process continues until the synchrotron photons are no longer energetic to produce pairs. The emitted photons are observed as pulses due to the relativistic beaming and stellar rotation. Here we present an overview on the particle acceleration and photon emission in the magnetosphere of neutron stars.
著者
山西 敏彦 岩井 保則 磯部 兼嗣 杉山 貴彦
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 = Journal of plasma and fusion research (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.83, no.6, pp.545-559, 2007-06-25
参考文献数
36

核融合炉施設は核融合を起こす燃料として,放射性物質であるトリチウムガスおよび副次的に生じる高濃度トリチウム水を大量に取り扱う施設であり,施設内に設ける燃料循環システムにて処理を行い,燃料サイクルを施設内に閉じてしまうことが必要となる.したがって,核融合炉の安全確保と燃料サイクルの確立を目指す上で,トリチウム水の処理は鍵となる技術である.本報では,ITERにおけるトリチウム水処理システムの開発経緯,第一壁冷却水やブランケット冷却水の処理までを見通した核融合原型炉に向けた水処理総合システムの研究開発状況を紹介する.
著者
甲斐 倫明 河野 孝央
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.89, no.9, pp.622-628, 2013-09

放射線施設の放射線安全管理は基本的に法令に従って行われる.そのなかには,放射線計測を伴う規定もある.本講座では,そうした法令の根底にある放射線防護の考え方についてICRP勧告の経緯を参照しながら概説する.また国内法は,ICRPの新勧告を取り入れながら変遷してきた歴史をもつが,そうした法令の中から放射線障害防止法を紹介する.
著者
加藤 隆子
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌
巻号頁・発行日
vol.90, no.4, 2014
著者
松田 七美男
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 = Journal of plasma and fusion research (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.568-574, 2000-06-25
参考文献数
16
被引用文献数
1

Molecular gas transmission behavior in a cylindrical pipe is calculated using Monte Carlo methods. Visualization of the motion of molecular gas in a pipe and gas impinging on unit area is performed using an X Window System under a UNIX clone operating system of Linux.