著者
岩井 千明
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.64, 2008

小論では岩井(2007)で提示したコンフリクトのあるビジネスゲームを用いた実験結果の報告を行う.実験aでは異なる大学の学部生をペアにした4チームでチームの累積利益を目的にした場合(チーム内コンフリクト無)と個人のボーナスを目的にした場合(チーム内コンフリクト有)でそれぞれ集団意思決定の効果を被験者への質問状により測定し比較分析を行った.実験仮説はコンフリクト有のゲームのほうがより集団意思決定の効率化が促進するというものであったが,両者の結果に有意な差は認められなかった.実験bで同じ内容のゲームを業務経験の豊富な社会人を対象に行ったところ,実験結果には統計的に有意な差は見られなかったが,コンフリクトの有るシナリオのほうが意見の対立を醸成する傾向が見られた.