- 著者
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福井 典代
岩川 真澄
- 出版者
- 一般社団法人 日本家政学会
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 63回大会(2011年)
- 巻号頁・発行日
- pp.123, 2011 (Released:2011-09-03)
目的 JISにより既製服のサイズが標準化され明確になっている.その一方でファッションの多様化により,一つのブランドでの販売対象が狭くなり,JIS以外のサイズ表示も増えている.特にフリーサイズはJISに記載がなく,具体的な大きさがわからないという問題性をもつ.本研究では,衣類の実態調査を行い,フリーサイズの大きさを明らかにすることを目的とする.方法 (1)通信販売会社のホームページからフリーサイズの女性用衣類を抽出した.本研究では,女性用衣類の上半身用と全身用を対象とした.(2)服種ごとに整理し,さらに編物(ニット、カットソー)と織物に分類した.(3)サイズを調節する仕組みの有無を調べた.(4)フリーサイズの衣類のサイズ表記の種類,バストのヌード寸法,仕上げ寸法を明らかにした.(5)フリーサイズのバストの仕上げ寸法を服種ごとにグラフ化し,Mサイズや9号サイズと比較分析した.結果 フリーサイズの衣類では,表記の方法として大きさの基準があるものとないものの2つに大別された.本研究で抽出された衣類は,9ARやMサイズを基準としたフリーサイズが大部分を占め、337点中301点であった.バストのヌード寸法は,Mサイズの範囲(79~87cm)が最も多く,181点中164点であった.バストの仕上げ寸法の平均値は,ワンピースでは2.2cm,カーディガンでは15.1cm,プルオーバーでは4.2cm,ブラウスでは0.3cm,9ARやMサイズよりフリーサイズの方が大きく,コートのみフリーサイズの方が4.6cm小さい結果となった.フリーサイズの衣類は,伸縮性のあるニットで作られていたり,ウエストにゴムが入っていたりして,サイズを調節できる仕組みがあるものも見られた.