著者
岩木 正哉
出版者
The Japan Society of Applied Physics
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.1058-1063, 1982

イオンビームを利用した表面,表層処理技術は近年急速な進歩を遂げ,なかでも,イオンビームの性質を最大限に利用したイオン注入は,半導体素子作成プロセスにおいて不動の地位を占めた.このイオン注入は金属表層の合金化など,半導体以外の材料における表層の機械的牲質や化学的姓質を変えるために利用され始めている。すでに, N, AI, Ti, Crなどをイオン注入した鉄鋼材料では優れた耐食性,耐摩耗性を有することが認められ,イオンビームの大電流化に伴い,工具への応用なども進められている.ここでは,イオン注入による金属の表層改質を中心にした現状と将来について述べる.