著者
木下 博之 岩本 博光 馬野 泰一 椿原 秀明 坂田 好史 森 一成
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.1020-1024, 2015 (Released:2015-11-30)
参考文献数
23
被引用文献数
2

症例は51歳の男性.腹膜播種を伴う高度進行胃癌に対してXP (capecitabin/CDDP)療法を6コース施行した後に胃全摘,2群リンパ節郭清術を施行した.術後も2コースを追加したところ,Grade 4の汎血球減少と頻回の下痢を認め,大腸内視鏡検査と血液検査からサイトメガロウイルス(以下CMV)腸炎と診断した.その後,ガンシクロビルの投与で腸炎は著明に改善した.なお,末梢血単核球中のdihydropyrimidine dehydrogenase(以下DPD)蛋白量は21.5U/mg proteinと基準値(33.6~183.6U/mg protein)に比して低値を示し,DPDの活性低値により重篤な副作用が発症したものと判断した.DPDが欠損または活性低下を示す患者の存在と日和見感染症としてのCMV腸炎の発症にも留意することが肝要であると考える.