著者
岩本 裕次
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.2, pp.161-170, 1992-05

静岡県では、東海地震を想定した総合防災訓練を54年度から実施し、依頼様々な地震防災訓練へ展開し、実施してきている。当県の地震防災訓練の概要をお知らせするとともに、今回この中に分類される津波訓練について紹介する。平成3年度の津波避難訓練が、当県の観光地である"伊豆"-南伊豆町弓ヶ浜海岸で実施された。「8月2日(金)午後2時遠州灘沖を震源とする地震が発生し、気象庁は『津波警報』を発表した。」という想定のもと訓練は開始され、当海水場を訪れた海浜利用者約10,000人の参加のもと津波警報伝達訓練、津波監視、警戒・避難誘導等が行われた。訓練後のアンケート調査結果によれば、京浜地区方面から海水浴に来た十代から二十代の女性が回答者の多くであり、若い女性の世代に伊豆の人気が高いことが窺える。これらの人々は津波避難の指示に従い、訓練に参加してよかったと回答している。しかし、一方では、そのまま砂浜にいて様子を見る等津波の恐ろしさを知らない人がまだまだいることから、啓発活動・津波訓練の必要性を痛感した。