著者
家田 仁 岩森 一貴
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_719-I_730, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
13

高速道路ネットワークが約1万kmにまで拡張され,高速バス輸送は今や年間1億人の輸送人員を担う重要な交通手段となっている.特に新幹線を持たない地域においては短距離から中長距離輸送まで,公共旅客輸送の主役の地位を占めるに到っている.この研究では,高速バス輸送における最も重要なインフラ施設ともいえる高速バスストップ(BS)に着目し,まず創始期の高速バス導入の意図とその後の変容経緯を歴史的に振り返り,それを踏まえてBSの設置タイプ別の整備状況と使用状況を調査し,その特性について交通学的見地から分析して一定の合理性を確認するとともに,地域的偏差特性に着目した考察を通じて,BSの整備と使用に関わる地域政治的もしくは意思決定論的性質の内在性を示唆したものである.