著者
細田 浩 岩橋 由美子 與座 宏一
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.512-516, 2000-07-15 (Released:2008-01-31)
参考文献数
17
被引用文献数
2 3

カットレタスの褐変に及ぼすネギ類搾汁液の影響を調べ, 以下の結果を得た.1. カットレタスをネギ類の搾汁液に短時間浸漬すると貯蔵中のカットレタスの褐変が抑制され, 特にタマネギとニンニクの搾汁液の変色抑制作用が強かった.2. タマネギの搾汁液へのカットレタスの浸漬時間は3分間で十分な変色抑制効果を示した.3. タマネギの品種比較では試験した11品種中'北もみじ86'の変色抑制作用が最も強かった.部位別の比較では可食部全体に変色抑制作用が認められたが, 中心部ほど作用が強い傾向があった.4. タマネギ搾汁液を加熱した時の変色抑制作用の低下はわずかであったが, タマネギを加熱した後で磨砕, 搾汁した搾汁液には変色抑制作用がなく, カットレタスの変色を抑制する成分はタマネギの磨砕, 搾汁過程で酵素作用によって生成する成分であろうと推測した.