著者
細田 浩 岩橋 由美子 與座 宏一
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.512-516, 2000-07-15 (Released:2008-01-31)
参考文献数
17
被引用文献数
2 3

カットレタスの褐変に及ぼすネギ類搾汁液の影響を調べ, 以下の結果を得た.1. カットレタスをネギ類の搾汁液に短時間浸漬すると貯蔵中のカットレタスの褐変が抑制され, 特にタマネギとニンニクの搾汁液の変色抑制作用が強かった.2. タマネギの搾汁液へのカットレタスの浸漬時間は3分間で十分な変色抑制効果を示した.3. タマネギの品種比較では試験した11品種中'北もみじ86'の変色抑制作用が最も強かった.部位別の比較では可食部全体に変色抑制作用が認められたが, 中心部ほど作用が強い傾向があった.4. タマネギ搾汁液を加熱した時の変色抑制作用の低下はわずかであったが, タマネギを加熱した後で磨砕, 搾汁した搾汁液には変色抑制作用がなく, カットレタスの変色を抑制する成分はタマネギの磨砕, 搾汁過程で酵素作用によって生成する成分であろうと推測した.
著者
細田 浩 山下 脩二 山本 隆太
出版者
法政大学地理学会
雑誌
法政地理 (ISSN:09125728)
巻号頁・発行日
no.48, pp.33-46, 2016-03

A.v.フンボルトの著書及びフンボルトに関する評論について検討し, 現代の地理学ないし科学におけるフンボルトの業績と, その意味を検討する. 取り上げた文献は「フンボルト自然の諸相」「新大陸赤道地方紀行」「経験論と地理学の思想」「コスモス」である. 考察した結果,フンボルトは近代科学の黎明期にあって, 天文学・地理学・植物学・岩石学・地球科学・社会学などさまざまな分野の緒を開いていること,そして経験論を経て最終的には宇宙全体の調和のある全体像の法則を探っていたと考えられる. 現代の総合的な生態系としての地球観からフンボルトの価値を再認識すべきであろうと考える.
著者
谷脇 徹 興津 真行 細田 浩司 阿部 豊
出版者
東京農工大学
雑誌
フィールドサイエンス (ISSN:13473948)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.25-30, 2003-03-25
被引用文献数
2 1

マツノマダラカミキリの羽化脱出消長を,東京都府中市では供試丸太をビニールシートで被ったビニ区で1999〜2002年に,林内区で2001年と2002年に,林外区と25℃恒温条件の恒温区で2002年に,茨城県那珂郡那珂町の林内区と茨城県下館市の林外区で1999〜2002年に調査した。供試丸太の網室搬入時期は,那珂町と下館市では冬期の伐倒直後であったが,府中市では5月下旬〜6月上旬であった。すべての調査区を設けた2002年の府中市では,脱出初日は林外区,50%羽化日は恒温区が最も早く,脱出初日から最終日までの日数は林外区で最も多く,ビニ区で最も少なくなり,同一地域でも環境や処理方法を変えると羽化脱出の傾向が異なることが確認された。4年間調査を行った府中市のビニ区,那珂町の林内区,下館市の林外区を比較すると,50%羽化日の平均は下館市が最も早く,有効積算温量が最も小さかった。林外では直射日光の影響でカミキリが実際に得る温量が多くなり,羽化脱出時期も早くなると考えられた。性比は高温少雨の年には小さくなった。また,府中市のビニ区と下館市の林外区では2000年から2002年にかけて同様の傾向を示した。
著者
細田 浩 大見 和枝 坂上 和之 田中 健治
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.451-456, 2003-09-15
被引用文献数
1 10

タマネギオイルがカットレタスの褐変に及ぼす作用を調べ,褐変抑制作用を示す成分を検索した.タマネギオイルが褐変抑制作用を示すためにはオイルとカットレタスが接触する必要はなく,掲変抑制成分は揮発性成分であると判断した.GC-MS分析により,タマネギオイルの主成分はdipropyl trisulfide, dipropyl disulfide, methyl propyl trisulfide等であることが明らかとなった.HPLCでタマネギオイルを分画し,各画分の褐変抑制作用を調べた結果,活性はかなり分散していたが,dipropyl trisulfide画分は最も褐変抑制作用が強く,以下methyl propyl trisulfide画分, dipropyl disulfide画分, propyl propenyl disulfide画分の順であった.比較した成分の中では, dimethyl trisulfideの比活性が最も強かったが,この成分はタマネギオイル中の存在量が少なく,タマネギオイルの褐変抑制作用は上記主成分によるところが大きいと判断された.また,trisulfideがdisulfideより褐変抑副作用が強いと考えられた.