著者
岩瀬 元治郎
出版者
京都府立医科大学
雑誌
京都府立医科大学雑誌 (ISSN:00236012)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.949-960, 1934

肝臟ガ糖新陳代謝ニ際シテ如何ナル役目ヲナスカノ問題ニ就テハ既ニ温血動物ノ肝臟灌流實驗多數ニ行ハル,然レドモ多クノ塲合ニ於テハ肝臟ハ他イ動物ヨリ取リタル大量ノ血液或ハリんげる氏液ヲ以テ灌流セラレ從ツテ肝臟灌流ニ於ケル生理的状態ヨリ離ル丶事遠シ.余ノ曩ニ行ヒタル實驗"甦生肝臟ノ痙攣毒結合機能ニ就テ"ニ際シ余ガすくらむりつく氏裝置ヲ改良セルモノヲ使用シ肝臟ヲ當該動物ヨリ得タ脱纎血液ヲ以テ灌流シクルニ良好ナル結果ヲ得クルニヨリ之ト同一ノ方法ニテ家兎肝臟ヲ灌流シ種々ノ要約ノモトニ家兎肝臟ノ出糖状況ヲ研索シテ次ノ成績ヲ得タリ.剔出前ニりんげる氏液ヲ以テ肝臟内血液ヲ洗ヒ出シタル家兎肝臟ノ門脈ヨリりんげる氏液ニテ3倍ニ希釋シタル血液ヲ以テ38℃ニ保温ノモトニ灌流スルニ灌流液中ノ糖量ハ灌流開始後30分ニ於テ著明ナル増加ヲ見其後灌流開始ヨリ1時間半ニ至ル迄ハ猶幾分ノ變動ヲ來ス,更ニ進ミテ其ノ後1時間半乃至3時間半灌流ヲ繼續スルニ多クハ僅カノ變動ヲ伴ナイツ丶徐々ニ尚幾分糖量ノ増加ヲ來セルガ少數ノ例ニ於テハ之ニ反シテ減量セリ.りんげる氏液ニテ2倍ニ希釋シ或ハ少シモ希釋セザル脱纎維血液ヲ以テ肝臟ヲ灌流スルモ其ノ結果ハリんげる氏液ニテ3倍ニ希釋シタル血液ヲ以テセル場合ト變リナシ.門脈ニひるぢんヲ注射シタル後りんげる氏液ヲ以テ血液ヲ洗ヒ出ス事無クシテ剔出シタル家兎肝臟ヲ灌流スルニ灌流液中ニ於ケル最初ノ糖増加ハ前記ノモノト異ナラザレ共其ノ後次第ニ糖濃度ハ低下ス.高壓ノモ下ニ肝動脈ヨリ家兎肝臟ヲ灌流スルニ1分間ノ流出量ハ非常ニ少量ナレドモ灌流ノ繼續ニヨリ次第ニ其ノ量ハ増加ス,而シテ此イ際灌流液中ノ糖量ハ1分間流出量ト並行シテ増加シ灌流開始後凡ソ2時間ニ至リテ最高量ニ達シ其ノ後ハ只僅小ノ變動ヲ見ルノミ.家兎肝臟ノ灌流ニ際シテ灌流液及臟器ノ温度ヲ38℃ヨリ19-20℃ニ降下セシムルモ肝臟ノ糖造成ニ對シテ認ム可キ影響現レズ.灌流液ヘノ酸素供給ヲ絶チ甦生肝臟ヲ酸素缺乏ノ状態トナセバ灌流液ノ糖量ハ唯僅カニ且徐々ニ増加ス.灌流液ヘ青酸加里ヲ(2m)/(500)ノ濃度ニ加フレバ灌流液ノ糖含有量ハ可成リ高度ニ増加ス.
著者
藤井 一雄 岩瀬 元治郎
出版者
京都府立医科大学
雑誌
京都府立医科大学雑誌 (ISSN:00236012)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.292-297, 1934

余等ハ先ノ研究ニ於テぐるたみん酸及ビちすちんヲ含有セル血液ヲ以テ家兎ノ剔出肝臟ヲ灌流シタルニ臟器並ニ血液中ノぐるたちをん量ハ何レモ僅ニ増加スルヲ見タリ.依テ余等ハ更ニ進ンデ青酸加里,硝酸すとりひにん並ニふゑのーるノ家兎剔出肝臟ぐるたちをん含有量ニ對スル影響ヲ攻究シテ次ノ成績ヲ得タリ.1)灌流實驗ニ際シ青酸加里ハ血液内ぐるたちをん含量ノ強キ増加ヲ來サシムルモ肝臟ノぐるたちをん含有量ニハ影響ヲ見ズ.2)すとりひにんヲ以テ肝臟ノ灌流ヲ行フニ肝臟並ニ血液ノぐるたちをん量ハ變化セズ.3)ふゑのーるヲ以テ肝臟ノ灌流ヲ行ヘバ血液ノぐるたちをん量ハ著シク減少スレ共肝臟内ぐるたちをんノ減少ハ著シカラズ.
著者
岩瀬 元治郎 藤井 一雄
出版者
京都府立医科大学
雑誌
京都府立医科大学雑誌 (ISSN:00236012)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.287-291, 1934

ぐるたちをんハ生體ニ於ケル唯一ノ自家酸化物質ニシテ酸化及ビ還元ニ關與ス.ぐるたちをんノ構造及ビ組成ニ關シテハHopkinsハ其ノ發見當時ニ於テぐるたちをんハちすちん及ビぐるたみん酸ヨリ成ルDipeptidナラムト思考セシモ其後詳細ナル研究ノ結果Dipeptidニ非ズシテぐりちん,ぐるたみん酸及ビちすていんヨリ成ルTripeptidチルコト明カトナレリ.1930年Binet,Blanchetiere及ビArnandet等ハちすちん及ビぐるたみん酸ヲ含有セル枸櫞酸血液ヲ以テ副腎ヲ灌流セルニ臟器及ビ血液中ノぐるたちをんハ最初ノ倍量ニ増加セルヲ見タリ.依テ余等ハ岩瀬ガ改良シタルSkramlickノ灌流裝置ヲ使用シ家兎ノ剔出肝臟ヲちすちん並ニぐるたみん酸ヲ含有セシメタル血液ヲ以テ39℃ニテ30分間灌流ヲ行ヒテ是等ノあみの酸ヨリぐるたちをんガ肝臟内ニ於テ合成セラルヽ哉ヲ研索シタルニ對照實驗ニ比シ肝臟並ニ血液内ぐるたちをん量ノ増加スルヲ見タルヲ以テ其ノ合成能力有ルヲ知リ得タリ.