著者
岩田 航季 鈴木 麗璽 有田 隆也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.4C2GS1302, 2020 (Released:2020-06-19)

AIプレイヤーは,囲碁等の二人完全情報ゲームでは,プロの人間に勝つ段階に至っている一方,人狼等の多人数不完全情報コミュニケーションゲームでは未だ大きな課題である.我々は,AIプレイヤー作成を通じて人間の認知特性の理解を目的とし,連想カードゲームDixitを対象に研究を開始している.Dixitはすべて異なった絵柄のカードを用い,手番では選んだカードから連想される言葉を言う.他プレイヤーはそれに関連するカードを1枚出す.そして,手番以外のプレイヤーが投票するが正解者が0か全員だと手番プレイヤーは得点が得られないというゲームである.他プレイヤーの思考や連想が重要となる. 本研究ではGoogle Cloud Vision APIを用いた絵柄からのラベル抽出,MeCabとword2vecを用いたラベルと言葉間の類似度計算により,AIプレイヤーを実現した.AIプレイヤーを交えたゲームを行った結果,人間はAIの投票先の傾向を感じ取り,手番時にはAIには連想困難で,人間には連想しやすい言葉を積極的に用いる戦略を取ることが認められた.今後,AIプレイヤーの強化を通じて,人間の認知の特性を明らかにしていく.