著者
有田 隆也
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.34-39, 2011-12-01 (Released:2014-09-01)

ドイツでは毎年数百ものボードゲームが新たに発売されている。ゲームのテーマは極めて多様であり,我々の生活におけるあらゆる社会的なインタラクションを含んでいる。ボードゲームは,思考することや社会的インタラクションの喜びを与えつつ,思考の基盤のトレーニングになるという意味で,とても教育的である。このような考えに基づいて行っている,名古屋大学の初年次教育へのボードゲーム導入の試みを具体的に紹介した上で,評価の高さを表すいくつかのデータを示す。さらに,ボードゲームの現代的意義についても指摘する。
著者
有田 隆也
出版者
CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.34-39, 2011

ドイツでは毎年数百ものボードゲームが新たに発売されている。ゲームのテーマは極めて多様であり,我々の生活におけるあらゆる社会的なインタラクションを含んでいる。ボードゲームは,思考することや社会的インタラクションの喜びを与えつつ,思考の基盤のトレーニングになるという意味で,とても教育的である。このような考えに基づいて行っている,名古屋大学の初年次教育へのボードゲーム導入の試みを具体的に紹介した上で,評価の高さを表すいくつかのデータを示す。さらに,ボードゲームの現代的意義についても指摘する。
著者
岩田 航季 鈴木 麗璽 有田 隆也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.4C2GS1302, 2020 (Released:2020-06-19)

AIプレイヤーは,囲碁等の二人完全情報ゲームでは,プロの人間に勝つ段階に至っている一方,人狼等の多人数不完全情報コミュニケーションゲームでは未だ大きな課題である.我々は,AIプレイヤー作成を通じて人間の認知特性の理解を目的とし,連想カードゲームDixitを対象に研究を開始している.Dixitはすべて異なった絵柄のカードを用い,手番では選んだカードから連想される言葉を言う.他プレイヤーはそれに関連するカードを1枚出す.そして,手番以外のプレイヤーが投票するが正解者が0か全員だと手番プレイヤーは得点が得られないというゲームである.他プレイヤーの思考や連想が重要となる. 本研究ではGoogle Cloud Vision APIを用いた絵柄からのラベル抽出,MeCabとword2vecを用いたラベルと言葉間の類似度計算により,AIプレイヤーを実現した.AIプレイヤーを交えたゲームを行った結果,人間はAIの投票先の傾向を感じ取り,手番時にはAIには連想困難で,人間には連想しやすい言葉を積極的に用いる戦略を取ることが認められた.今後,AIプレイヤーの強化を通じて,人間の認知の特性を明らかにしていく.
著者
有田 隆也
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.73-91, 2000-11-25 (Released:2009-05-29)
参考文献数
17

Adaptation is an essential characteristic of living organisms, which can be grasped clearly by formulating the concept of dynamic fitness-landscapes. We constructed minimal models whose behavior depends on linguistic interaction between individuals and conducted computational experiments based on a constructive approach so as to capture realistic images of dynamic fitness-landscapes. Then, we focused on the effects of phenotypic plasticity on the adaptive walk on complex fitness-landscapes by conducting computational experiments. The results of the computational experiments suggested a new image of adaptation of living organisms.
著者
田村 光平 鈴水 麗璽 有田 隆也
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.501-502, 2008-03-13
参考文献数
5
被引用文献数
1
著者
西本恵太 イヴァンタネヴ 下原勝憲 鈴木麗璽 有田隆也
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.8, pp.1-6, 2012-11-29

マイノリティゲームは複数個体による資源競争のモデルであり,ルールは単純でありながら創発的特徴を持つことで知られる.我々は,ゲーム選択に至る動的な調整過程に焦点をあてるため,選択肢を実数値化した上で意思決定前のコミュニケーションを導入した.調整過程における他個体の振る舞いに対する鋭敏性を社会的知能の典型的な表れと考え,その進化ダイナミクスを分析することを目的として,エージェントに搭載したニューラルネットワークを進化させる実験を行った.その結果,エージェント間に役割分化が発生することが示された.役割分化は, 1 つの遺伝子プールの鋭敏性が他のプールよりも高く進化した際,遺伝子プール間にも発生する.詳細な検討により,一方のプールが鋭敏性を減少させ,他方のプールがそれに合わせる形で役割が動的に切り替わるというメカニズムを明らかにした.
著者
久保 和紀 鈴木 麗璽 有田 隆也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第19回 (2005)
巻号頁・発行日
pp.175, 2005 (Released:2006-10-26)

生物が自らの環境(選択圧)を改変するニッチ構築が進化に与える影響を明らかにするため,ニッチ構築を行う遺伝子とそれにより適応度が影響を受ける遺伝子からなる進化モデルを構築した.結果,適応的な個体の持つ両遺伝子間の相関により,集団への侵入が促進又は抑制されることが判明した.
著者
高木 浩光 有田 隆也 曽和 将容
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.68-69, 1991-02-25

並列計算機のアーキテクチャを実行順序制御の観点から分類すると、命令のプロセッサ割り当てを実行時に行なう動的順序制御方式と、実行前に行なう静的順序制御方式とに大別することができる.後者は前者に比較して、実行時にスケジュール処理を行なう必要がない、先行制御が容易であるなどの理由により、高速な順序制御が可能であるという特長をもっている.ただし静的順序制御方式では、その性能を最大限に引き出すために、実行前に最適な命令スケジュールを決定する必要がる。この最適化は、命令の処理時間の予測をもとに行なわれるが、この処理時間の予測が適確でない、もしくは、キャッシュ・ミスやネットワーク遅延などの不確定要素によって処理時間が実行時に変動するような場合、実行前の最適化では十分に良い性能が得られない場合がある。これが静的順序制御方式の動的順序制御方式に対する欠点のひとつとなっていた。我々は、従来のスケジュール法を改良することによって、処理時間の予測どおりに実行された場合の性能は従来のままに保ち、かつ処理時間が予測から変動した場合の性能を向上させるスケジュール法:DTSP(Dependent Tasks Same Processor)法を提案した。本スケュール法を用いることにより、従来の方法に比較して5~10%程度の性能向上が得られることが示されている。この性能向上率は、タスクグラフの形状、タスク(命令)の処理時間のバラツキ、プロセッサ数、タスク数などによって変化するものであった。特にタスクの処理時間のバラツキに対しては特徴的な変化がみられた。本稿では、この特徴について明らかにし、DTSP法がどのような環境において特に有効であるか考寮する。
著者
大越 拓実 鈴木 麗璽 有田 隆也
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.81-82, 2018-03-13

野球における応援が試合結果や打撃成績に与える影響を明らかにするため,2017年度高校野球秋季東海大会2試合,明治神宮大会高校・大学の部全19試合の応援の音声をスタンドから録音し,ニューラルネットやランダムフォレスに基づく予測モデルを構築して分析した.応援の大きさは攻撃時音声の振幅の2乗を用いて定義した.試合全体での自チームの応援の大きさの平均は勝敗に応じて有意に異なり,応援の大きいチームが勝利しやすいことが判明した.また,各イニングでの応援の大きさを入力として試合の勝敗を予測したところ,7回の応援に加え,一般には小さくなりがちな1回の応援が大きいほど勝利に影響しやすいことなどが示唆された.さらに,過去15回の投球での応援から打撃結果がアウトか否かを予測したところ,自分の打席の応援が打撃結果に負の影響を与える傾向も示唆された.
著者
有田 隆也
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

ヒト独自の社会的知能を,言語,協力,心の理論のそれぞれに関わる形質の共進化の中で創発したものとみなす仮説に基づき,構成論的手法を用いて研究している.本発表では,ゲーム論的モデルを設定した上で,進化シミュレーションと人間による社会的進化実験の両者を相補的に行うアプローチについて,言語と協力を対象として進めている研究を題材として論ずる.
著者
落合 洋文 鈴木 麗璽 有田 隆也
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1_34-1_42, 2011-01-25 (Released:2011-03-25)

食物網は生態系における捕食-被食関係を描いたネットワークであり,これらのネットワークのトポロジーを考えることで生態系全体の構造と機能を明らかにすることが生態学の1つの基本的課題となっている.そこで,実際の生態系において確認されているネットワーク構造の基本的な特徴のみを用いた単純な進化モデルを用いて,栄養段階における特性が食物網のトポロジーやダイナミクスにもたらす影響を調べた.実験の結果,生態系ネットワークに現れる特徴と定量的・定性的な一致を示し,ネットワーク構造の生成メカニズムの一部を示すことができた.
著者
有田 隆也
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.39-46, 2009-01-10 (Released:2022-06-29)
参考文献数
33
著者
大和 祐介 鈴木 麗璽 有田 隆也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019)
巻号頁・発行日
pp.1D4J104, 2019 (Released:2019-06-01)

人間は,特定の知識が自分の記憶に存在するかどうか,あるいはどれだけ正確に存在するかを認知する事が出来る.このような主観的な記憶に対する認知能力はメタ記憶と呼ばれる.Hamptonは遅延見合わせ課題を用いてサルが回避応答パラダイムにおけるメタ記憶の基準を満たすことを示した.しかし,これらのパラダイムはメタ記憶の判断を被験者の主観による報告ではなく,振舞いによって行っている.回避応答パラダイムにおいては,特定の刺激と回避行動を関連付けて覚えて難しい課題を回避することでメタ記憶判断の基準を満たし得ることが指摘されている.本研究の目的は,構成論的アプローチによって,メタ記憶能力を持つニューラルネットワークを進化させることである. 最初に,回避応答パラダイムにおけるメタ記憶の基準とメタ記憶を持つニューラルネットワークの最小要件の基準を明確にする.次に,遅延見合わせ課題によって進化したニューラルネットワークに対してメタ記憶の基準を軸に分析を行う.メタ記憶の基準を満たすニューラルネットワークの動作メカニズムを追求することで,ネットワークのメタ記憶的判断のメカニズムを明らかにした.
著者
出口 万由子 高野 佑紀奈 鈴木 麗璽 有田 隆也
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.35-36, 2020-02-20

本研究の目的はドラマの各回へのユーザー評価の変遷の可聴化により集団心理ダイナミクスを理解することである.レビュー中の単語の評価極性をドラマ回ごとに鍛治らのPolar phrase dictionaryで実数値化(A),あるいは小林らの日本語評価極性辞書でラベル化(正/負感情,主/客観)(B)し,音を発して移動する各粒子の属性に割当てる.Aでは,評価極性の高低を音程の高低とx座標の正負に,評価極性の正負を長・短調に割当て,評価の頻度分布を音長に反映させる.Bでは,正/負を長/短調,主/客観を高/低音に割当て,ラベル4つを各象限に対応させる.試作システムの初期評価で「ネタバレ」なしにドラマが喚起する集団心理の典型的ダイナミクスを体感できることが示された.
著者
有田 隆也
出版者
名古屋大学オープンコースウェア委員会
巻号頁・発行日
2016-06-29

この講義は、主にドイツ製のボードゲームやカードゲームを題材として、受講生同士がゲームを紹介しあい遊びながら、考えることの楽しさを味わってもらうことを目的としています。ルールを読み、理解し、他の受講生に説明し、プレイし (勝ったり負けたりし)、戦略を考え、討論する、というように、盛りだくさんです。他大学のごく一部でも囲碁、あるいは将棋を題材にした授業を行っているところがありますが、本講義の場合、海外の未知なゲームを扱う場合が多いので、受講生がまったく知識のないところから平等にスタートすることができますし、外国の文化を楽しめます。ボードゲーム先進国のドイツでは毎年数百の新作が発表されています。ゲームが扱うテーマは、思いつく限りの範囲をカバーしているといっても過言ではなく、ゲームのメカニズム自体も継続的に洗練がなされ、工夫されてきています。この講義では、そのように多様な世界の一端を20種類程度のゲームで味わいます。根本的な問題意識をここでほんの少しだけ述べましょう。私は (特に日本の) 現代社会が直面する問題群の根底には、人と人のインタラクション (相互作用) における想像力の不足、欠如があるのではないかと考えています (ちなみに、私の専門は人間関係に限らずに様々なインタラクションから創発する現象を計算機の中の世界で起こして理解することです)。ドイツのボードゲームは人と人との様々な状況における様々な種類のインタラクションについて考え、悩み、楽しむものです。ワクワクするようなプレイを通じて、他人の立場に立って、他人の気持ちを想像する力をトレーニングすることができるのです。そうしないと勝てませんので。このような意味からも、受講生はもちろん、それ以外の人たちにも、いろいろな場面で、ドイツなどの質の高いボードゲームをプレイする楽しさを知ってほしいと心から願っています。幸いなことに、このような私の問題意識やボードゲーム利用による教育効果は徐々に社会でも共有されるようになってきたようで、この授業やその実践に基づく知見は国内外のメディアで紹介されるようになってきました (北欧の大学が発行する雑誌への寄稿、テレビ番組での模擬授業の実施、テレビ番組へのコメンテーター出演など)。この授業の受講生達には、この先いろいろな場面で受講体験を活かしてほしいと願っています。
著者
坂野 孝広 鈴木 麗璽 有田 隆也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.1O3GS803, 2020 (Released:2020-06-19)

我々は,自然に偏在する音響ノイズを起源とする音声コミュニケーションの進化シナリオを検討するため,物理接触による音の発生を取り入れた3次元仮想生物進化環境を構築している.生物は直方体を接続して構成され,各ブロックは他個体を認識する視覚とブロック同士や地面との接触で発生する音を認識する聴覚をセンサとして持つ.センサ情報はブロック内の神経結合で処理されブロック間の関節へのトルクに反映される.生物は体構造とネットワークを記述する遺伝子を持つ.本稿では,音源と資源から構成される環境構造が仮想生物の進化に与える基本的な影響を明らかにすることを目的とする.具体的には,中心に定常音源とその周囲に複数の資源ブロックが存在するフィールドに仮想生物集団を配置し,一定ステップ後に各資源から配分半径内に入った個体で等分して得られる資源量を適応度とした.資源の共有特性を決める配分半径が異なる条件で実験した結果,半径が中程度の場合に音情報を利用してより均一な資源共有が可能な集団へと漸進的に進化することが判明した.また,集団行動データの次元圧縮による可視化が複雑な集団構造の進化傾向の比較に有用であることが判明した.
著者
岡田彩夏 鈴木麗璽 有田隆也
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.501-502, 2014-03-11

感情は適応進化により獲得されたとみなす説がある.我々はゲーム論的状況を用いて感情の適応性を検討している.負感情で利得が減少したように錯覚して自分の行動を変え,それが相手の行動の変化に繋がり,結果として利得が増加する状況である.本研究では,先手の二選択肢の片方の先に後手の二選択肢がある木で表される逐次手番ゲームを用いる.まず,このような状況に相当するケースを合理的なプレーヤーを想定して探索した後,相手の行動履歴に基づいた期待値にしたがって行動選択するエージェントを用いた計算機実験の結果と比較検討する.
著者
小林 弘明 高木 浩光 有田 隆也 川口 喜三男 曽和 将容
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.285-286, 1994-03-07

知識モジュールやシステムが状況変化に対して柔軟に適応できるかどうかという、柔らかさと呼ばれる概念が注目を集めはじめている。我々はプログラムを柔らかく記述する方法として概念制約式と呼ぷプログラム記述要素を提案している。本稿では概念制約式を用いて表現されたプログラムから実行可能なプログラムを生成するコンパイル手法について述べる。