- 著者
-
岩男 弘毅
吉川 敏之
- 出版者
- National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, Geological Survey of Japan
- 雑誌
- 地質調査研究報告 (ISSN:13464272)
- 巻号頁・発行日
- vol.65, no.3, pp.57-65, 2014
オープンデータ政策に対するフランス地質・鉱山研究所(BRGM)の取り組みと,産業技術総合研究所地質調査総合センター(GSJ)の取り組みを比較検討することで,今後GSJが社会に対して地質データを提供していくうえで取り組むべき技術的課題,整備すべき制度を考察することが本報告の目的である.今回着目したBRGMは縮尺100万分の1の世界地質図をインターネットで配信する国際プロジェクトOneGeologyの運用を技術支援しており,地質図のデジタル配信分野で先進的な機関の一つである. フランス政府が進めるオープンデータ,あるいは欧州議会が定めた欧州域内の地図・空間情報の統合・共有政策の潮流の中で,BRGMが進めている地質データ管理・提供の動向を検証し,今後GSJがデータ配信に関して取り組むべき技術的な課題について明らかにした.一方で,BRGMは組織設立の経緯から,官と民の両方の立場をとっており,配信ルール,あるいは著作権運用ルール等を含む制度の整備の面ではBRGMよりもGSJのほうが容易であることが分かった.