- 著者
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岩﨑 涼太
杉山 剛
石井 裕貴
五十嵐 賢
増山 敬祐
杉田 完爾
- 出版者
- 日本小児耳鼻咽喉科学会
- 雑誌
- 小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
- 巻号頁・発行日
- vol.36, no.1, pp.15-20, 2015 (Released:2015-06-20)
- 参考文献数
- 17
【背景】年少の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者には成長障害の合併が多いが,アデノイド口蓋扁桃摘出術(AT)前後の身体発育に関して 7 歳以下の報告は少ない。【目的】7 歳以下の OSAS 患者に対する AT の身体発育への影響を明らかにする。【方法】対象は19名(男女比13:6)。Type 3 簡易 PSG で無呼吸低呼吸指数(AHI)≧5 でアデノイド増殖・口蓋扁桃肥大を有する小児を OSAS と診断し,AT 後 3,6,12ケ月の身体発育を検討した。【結果】AT 後に AHI は有意に低下した(18.9±15.3 vs 3.4±1.6)。BMI パーセンタイルは AT 後 3 ケ月で有意に増加し(43.9±26.1 vs 55.6±22.5),身長 SD スコアは AT 後12ケ月で有意に増加した(−0.26±0.94 vs 0.006±0.63)。【結論】7 歳以下の OSAS 患者では AT 後,体重増加が先行し,身長は遅れて増加した。