著者
岸本 暢将 岡田 正人
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.10, pp.2431-2439, 2014-10-10 (Released:2015-10-10)
参考文献数
14

脊椎関節炎(spondyloarthritis:SpA)は,強直性脊椎炎,乾癬性関節炎,反応性関節炎,炎症性腸炎関連関節炎,分類不能脊椎関節炎および小児の脊椎関節炎を含めた体軸関節と末梢関節に病変が起こる炎症性関節炎の総称である.以前の報告では,日本での有病率は欧米と比較すると非常に稀な疾患と考えられてきたが,昨今,生物学的製剤を含めた治療進歩に伴い,その疾患概念や特徴が認知され,日常診療では関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の鑑別疾患として重要な疾患群と考えられている.他科との連携も非常に重要な疾患として臨床的特徴と診断治療について解説する.
著者
岸本 暢将 駒形 嘉紀 要 伸也
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.10, pp.2173-2180, 2021-10-10 (Released:2022-10-10)
参考文献数
5

近年,分子標的治療薬を含む薬物療法の進歩により,乾癬性関節炎(psoriatic arthritis:PsA)や体軸性脊椎関節炎[代表疾患:強直性脊椎炎(ankylosing spondylitis:AS)]に代表される脊椎関節炎患者の予後は大きく改善している.それに伴い,早期診断を目的に分類基準が整備された.また,2020年以降,本邦においてもIL(interleukin)-17阻害薬のX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(non-radiographic axial spondyloarthritis:nr-axSpA)への適応追加,新規IL-23阻害薬や経口分子標的治療薬であるJAK(Janus kinase)阻害薬もPsAの治療薬として登場し,関節リウマチより多くの分子標的治療薬が承認されている.本邦や欧米の治療推奨やガイドラインを熟知し日常診療の治療選択の一助としていただきたい.