著者
要 伸也
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.5, pp.938-947, 2015-05-10 (Released:2016-05-10)
参考文献数
12

体内で産生される酸は過不足なく腎臓から排泄され,そのための尿酸性化のメカニズムが存在する.したがって,腎臓の様々な異常により酸の排泄が障害され,代謝性アシドーシスが現れる.一方,最近,代謝性アシドーシスが骨や蛋白代謝だけでなく,腎機能にも影響を与えることが明らかになっており,酸血症の補正が重要なCKD(chronic kidney disease)対策の1つとなっている.このような観点から,腎臓と酸塩基代謝異常の関連について概説する.
著者
岸本 暢将 駒形 嘉紀 要 伸也
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.10, pp.2173-2180, 2021-10-10 (Released:2022-10-10)
参考文献数
5

近年,分子標的治療薬を含む薬物療法の進歩により,乾癬性関節炎(psoriatic arthritis:PsA)や体軸性脊椎関節炎[代表疾患:強直性脊椎炎(ankylosing spondylitis:AS)]に代表される脊椎関節炎患者の予後は大きく改善している.それに伴い,早期診断を目的に分類基準が整備された.また,2020年以降,本邦においてもIL(interleukin)-17阻害薬のX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(non-radiographic axial spondyloarthritis:nr-axSpA)への適応追加,新規IL-23阻害薬や経口分子標的治療薬であるJAK(Janus kinase)阻害薬もPsAの治療薬として登場し,関節リウマチより多くの分子標的治療薬が承認されている.本邦や欧米の治療推奨やガイドラインを熟知し日常診療の治療選択の一助としていただきたい.
著者
要 伸也
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.5, pp.826-834, 2006-05-10 (Released:2009-03-27)
参考文献数
5
被引用文献数
1 2

低K血症, 高K血症は日常診療上頻繁に遭遇し, 様々な疾患の診断の手がかりになるとともに, 時に緊急治療の対象にもなるため, 実地医家はその対処法をよく知っておく必要がある. ここでは, 基本的なK調節メカニズムについて述べたあと, K代謝異常の具体的なアプローチ法につき解説したい.
著者
要 伸也
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.5, pp.826-834, 2006-05-10
参考文献数
5
被引用文献数
2

低K血症, 高K血症は日常診療上頻繁に遭遇し, 様々な疾患の診断の手がかりになるとともに, 時に緊急治療の対象にもなるため, 実地医家はその対処法をよく知っておく必要がある. ここでは, 基本的なK調節メカニズムについて述べたあと, K代謝異常の具体的なアプローチ法につき解説したい.
著者
清水 英樹 山田 明 吉澤 亮 福岡 利仁 平野 和彦 下山田 博明 今野 公士 駒形 嘉紀 要 伸也 有村 義宏
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.378a, 2012

[背景]近年IgG4関連疾患の診断基準が作成されているが,その病態,病像には不明の点も多い.<br> [目的と方法]2011年2月から2012年3月まで当科症例でIgG4高値を示した9症例を検討した.全例で口唇生検と障害臓器の組織生検を試み,臨床経過を腎症の有無・自己免疫疾患の有無に応じ比較検討した.<br> [結果]平均年齢68.1&plusmn;12.2歳(52-90),男女比は5:4.腎症ある症例は4例(うち2例は腎生検で診断)であった.ミクリッツ徴候を主体とした症例は3例(すべて女性)で,既存の自己免疫疾患合併症例は2例であった.9例ともに悪性腫瘍は除外され,8例でIgG4-RDと診断した(1例はRAと診断).IgG4-RDの診断には,口唇生検と涙腺生検を施行し,口唇生検の5/8例で,涙腺生検の2/2例でIgG4浸潤細胞を認めた.腎症のある症例は,多臓器障害を認め,抗核抗体高値と低補体血症とIgE高値を伴った.IgG4関連疾患否定のRA症例では,Th2サイトカインの上昇を認めなかった.全例で膵病変なく,IgG4関連疾患8例でステロイドに著効した.<br> [結論]IgG4関連疾患は症例ごとに多臓器障害を認めやすい.全身の臓器障害部位を評価の上,組織生検も施行すべきである.尿所見・CT所見から腎症を疑う際には,腎生検も考慮すべきである.<br>