- 著者
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岸本 聡
伊東 祐二
- 出版者
- 公益社団法人 日本薬学会
- 雑誌
- MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.1, pp.35-41, 2017-02-01 (Released:2019-06-30)
- 参考文献数
- 28
抗体医薬の新たなフォーマットとして、ラクダ科の重鎖抗体由来の抗原結合ドメイン(VHH, Nanobody)を使った医薬品開発が進められている。このVHHは、高い安定性、バクテリアにおける高い発現効率、抗体工学の容易さといった優れた特性をもつ一方で、投与後の血中半減期の短さといった弱点もあわせもつ。臨床試験の結果を通して、このようなVHH医薬品の課題と今後の展開について考えてみたい。さらに、ファージディスプレイライブラリーと網羅的配列解析手法を使った新しいVHHの開発手法、ならびに、VHHを使った新しい抗体医薬品の形として、抗体特異的修飾法(CCAP:Chemical conjugation by affinity peptide)によるIgG-VHHコンジュゲートについて紹介する。