8 0 0 0 OA カナリヤ

著者
首藤 紘一
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.1, 2002-08-01 (Released:2021-06-01)
著者
佐治木 弘尚 山田 強 井川 貴詞
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.41-46, 2022-02-01 (Released:2022-02-01)
参考文献数
30

重水素標識化合物は、分子内のC-HをC-Dに安定同位体変換しただけの、最も小さな官能基変換を受けた化合物である。しかしHとDを比較すると、質量数には約2倍の差があり、他の各種の安定同位体と比較すると、その同位体効果は必然的に大きくなる。ましてや多重に重水素標識された化合物では、その差異はより大きく発現することとなる。特に質量の変化や結合安定化効果を利用して、非標識化合物を高機能化する研究は盛んに実施されており、その1つが重水素標識医薬品(ヘビードラッグ)の開発である。本稿では、重水素標識による高機能化の事例紹介とともに、重水素標識法のこれまでの到達状況に関する概要を紹介する。
著者
築地 真也 吉川 優
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.140-144, 2022-08-01 (Released:2022-08-01)
参考文献数
9

細胞内のタンパク質を小分子や光で制御する化学遺伝学および光遺伝学技術は、創薬研究や細胞医薬開発における重要な基盤ツールとなる。しかし、タンパク質は標的ごとに構造、機能、機能発現機構が異なるため、さまざまなタンパク質の活性制御に適用できる汎用的な手法は未だ開発されていない。本稿では、筆者らが最近考案した、人工相分離ドロップレットを用いたタンパク質活性操作技術を紹介する。本技術では、人工タンパク質の自己集合を利用して細胞内に相分離ドロップレットを構築し、小分子や光を用いて標的タンパク質をその中へ隔離(不活性化)もしくは放出(活性化)することができる。人工ドロップレットによるタンパク質の隔離と放出という原理は、さまざまなタンパク質の活性制御を実現する新たな生命操作・創薬基盤技術としての展開が期待される。
著者
海東 和麻 山西 芳裕
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.26-30, 2022-02-01 (Released:2022-02-01)
参考文献数
19

構造生成器は、初期条件を元に、新規化学構造を出力する創薬AIの1種である。本稿では、主要な構造生成器として、ビルディングブロック型構造生成器と深層学習型構造生成器について、その概要を解説する。また、近年、大規模なオミクスデータの利用が可能となりつつある。そこで、筆者らが最近独自に開発した、オミクスデータを入力とし、新規化合物の構造式を出力する構造生成器であるTRanscriptome-based Inference and generation Of Molecules with desired PHEnotypes by machine learning(TRIOMPHE)について、実際に生成した化合物の構造式を交えて紹介する。
著者
石田 祐
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.165-169, 2023-11-01 (Released:2023-11-01)
参考文献数
1

英国スコットランドのダンディー大学に2019年から3年ほど滞在した経験とそこから感じたことを、米国に以前駐在した経験との比較を踏まえ紹介したい。また滞在中にはCOVID-19パンデミックや英国のEU離脱、ウクライナ危機などの大きな変動を経験したので、現地がどのような状況であったかも併せて紹介したい。本稿が海外での研究に挑戦しようか悩んでいる方の背中を押す一助になれば幸いである。
著者
岸本 聡 伊東 祐二
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.35-41, 2017-02-01 (Released:2019-06-30)
参考文献数
28

抗体医薬の新たなフォーマットとして、ラクダ科の重鎖抗体由来の抗原結合ドメイン(VHH, Nanobody)を使った医薬品開発が進められている。このVHHは、高い安定性、バクテリアにおける高い発現効率、抗体工学の容易さといった優れた特性をもつ一方で、投与後の血中半減期の短さといった弱点もあわせもつ。臨床試験の結果を通して、このようなVHH医薬品の課題と今後の展開について考えてみたい。さらに、ファージディスプレイライブラリーと網羅的配列解析手法を使った新しいVHHの開発手法、ならびに、VHHを使った新しい抗体医薬品の形として、抗体特異的修飾法(CCAP:Chemical conjugation by affinity peptide)によるIgG-VHHコンジュゲートについて紹介する。
著者
中村 斐有
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.8-12, 2021-02-01 (Released:2021-05-01)
参考文献数
1

2018年のサッカーロシアWカップでは日本代表の登録メンバー23人の内、15人が欧州クラブから選出された。2010年の南アフリカWカップでは海外組が4人であったことから考えても、これは驚異的な躍進である。一方、伝統的に化学の強豪国である日本では、古くから博士号取得後またはPh.D.取得を目的に海外の研究機関で働くことが珍しくない。これから海外で留学生活を送られる方もおられるだろう。目的はさまざまだと思うが、重要なのは、サッカー界がそうであるように自分の市場価値を上げてステップアップすること、延いては日本社会そのものの市場価値を上げることではないだろうか。
著者
漆島 達哉 長瀬 剛 周藤 俊樹
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.124-129, 2022-08-01 (Released:2022-08-01)
参考文献数
7

1999年に英国ケンブリッジにバイオベンチャーとして創業したアステックス社は、現在では主流となったフラグメント創薬(FBDD)を長らく牽引してきた。アカデミアやビッグファーマとの多くの協業により、近年立て続けに新薬が上市、または臨床試験が進み、FBDDとアステックス社の存在感を発展させてきた。2013年の大塚製薬による買収以降も企業文化をそのままに、疾患分野、FBDD技術の適用範囲を拡大している。ここではアステックス社が位置するケンブリッジとアステックス社、FBDDについて紹介する。
著者
小泉 誠
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.38-42, 2016-02-01 (Released:2018-07-02)
参考文献数
20

mRNA発現を制御するアンチセンス核酸やタンパク質の機能を抑制するアプタマーは、核酸医薬品として開発されている。核酸医薬は、低分子化合物や抗体医薬では標的とすることが困難な分子に対してアプローチすることができる。2013年に米国食品医薬品局は家族性高コレステロール血症の治療薬としてKYNAMRO(mipomersen)を認可した。その後、欧米では製薬企業と核酸医薬関連のベンチャーとの核酸医薬の研究開発の提携が多く見られている。また、核酸医薬に関係する事業に参入する国内企業も増えてきている。本稿では国内外企業による核酸医薬の最近の研究開発状況について述べる。
著者
金井 求 生長 幸之助 豊邉 萌
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.33-37, 2023-02-01 (Released:2023-02-01)
参考文献数
11

アミノ酸選択的修飾反応は、天然アミノ酸のうち1種類のみを選択的に修飾する化学反応である。これまでに、システインやリジン側鎖の求核性を活用した反応は数多くの報告があり、これらの抗体修飾への応用は、医薬品(抗体-薬物複合体)として実用化に至っている。一方で近年の発展により、システインやリジン以外のアミノ酸に対する修飾反応も開発されている。しかし、その対象はペプチドや小さなタンパク質が多く、複数のドメイン・サブユニットの複合体である抗体への応用例は少ない。さらに、修飾抗体の機能までを評価した例は限られている。本稿では、アミノ酸や反応剤のレドックス活性を利用したチロシン、トリプトファン、メチオニン選択的修飾法をとりあげ、それらを抗体修飾法へと応用し、機能評価を行った事例について紹介する。
著者
本田 孝雄
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.116-121, 2021-08-01 (Released:2021-08-01)

約7、8年前から始まったグローバルファーマの本邦における本格的なオープンイノベーション活動は、ますます勢いを増している。各社とも外部案件評価のための陣容を整え、国内外を問わず新規技術を含めた候補案件獲得に全力を注いでいる。最近では、自社創薬成功確率の大幅な低下に加えて、医薬品市場では、同一作用機序において世界の2、3番手に入らないかぎり、たとえ上市しても十分な売上げが見込めないことから、弊社(イーライリリー)では、案件評価にはビジネス担当者のみならず自社研究者を交えて、質の高い多角的な評価を行い、早期の意思決定を可能にしている。イノベーションは世界中のどこにでも起こるので、それを早期かつタイムリーに獲得することが重要である。本稿では、弊社がこれまで実施してきたこと、また、筆者自身が常日頃、業務を通して経験し、感じていることを、特に医科学分野の研究に従事している若手研究者に伝えたい。
著者
松原 誠二郎 寺山 慧 奥野 恭史
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.181-186, 2018-11-01 (Released:2020-05-01)
参考文献数
8

有機分子は、炭素および水素原子を基調としてわずか数種の原子から構成されているにも関わらず、構成原子の順列・組み合わせの結果、異なる機能をもつ分子を無限に設計することができる。それらを実際に合成する際には、まず逆合成と呼ばれる思考実験を行い、でき上がったパズルをピースに戻すように分割を続けて、入手可能な原料からの合成ルートを設計する。このルートに従った合成が実際にうまくいくかどうかは、最初の思考実験の質と精度に依存する。この逆合成では、過去のすべての有機反応データの利用が鍵となるので、AIを用いる手法により、さらに高度に行えるのではないかという期待が高まり、近年大きな進展が見られている。