著者
中村 好男 峯岸 正人 谷内 功 児島 正展
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.137-142,a1, 1998-02-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
3

埼玉県荒川右岸地区では, 河川水と溜池, 地下水という多種水源に支えられて水田潅漑が行われている。また排水路を堰上げて反復潅漑を行っているために, 農業用水の還流率は0.11~0.45と小さな数値を示した。地区の排水は最下流部のびん沼川に流入するが, 再び農業用水として循環利用されていた。還流に伴う水質変動を調査した結果, 排水路を流下する間に濃度が低下していた。また負荷量は, 流入負荷量よりも流出負荷量が小さい結果となった。ストックとフローシステムが有機的に結びついた循環潅漑によって, 下流地域への汚濁負荷軽減に役立ち, 地域の水資源形成と水環境保全に影響を及ぼしていることがわかった。