著者
市丸 保幸 青木 真由美 島 由季子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.127, no.3, pp.205-208, 2006-03-01
参考文献数
3

本総説では詳細な作用機序には触れず,現在抗うつ薬として臨床開発中のものを中心に,それぞれの作用機序から大まかに分類し,概説する.現在臨床的に使用可能な薬剤はすべてモノアミン(ノルエピネフリン,セロトニン,ドパミン)に何らかの形で影響を及ぼし,抗うつ効果を現すので,前半では三・四環系の作用機序を含め,モノアミン系に作用する候補化合物についてSSRI,SNRI,NDRI,SNDRI,5-HT受容体関連,MAO阻害薬,PDE阻害薬の順に開発品をまとめた.また,後半では既にSSRIと同等あるいはそれ以上の有効性・有用性が報告されているメラトニン系のagomelatineをはじめに,neurokinin(NK)関連,CRF関連,GPCR関連,その他いくつかの新しい作用機序を持つユニークな化合物をまとめた.<br>