著者
島尻 優香 加藤 昇平 世木 博久 伊藤 英則
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.213-214, 1994-03-07

仮説推論の研究に関しては、その理論的枠組の提案、効率的な推論システムの実現方法、並びに診断・設計問題などへの応用など、多くの研究結果が報告されている。我々は、すでにホーン節で表現された論理知識ベースを対象とした仮説推論の効率化手法について提案した。そこで、本稿ではより表現力の高い不確定論理データベースを対象とした仮説推論について述べる。不確定論理データベースのような非ホーン節(non-Horn 節)集合を対象とした推論方法として最近提案された定理証明系SATCHMOREがある。本研究では、 SATCHMOREで導入されている"関連性(relevancy)"の概念を仮説推論に適用することを考える。不確定論理データベースに対する問合せの答としては、"真(true)"、"偽(false)"、"不定(unknown or possibly true)"の三つが考えられる。そこで、SATCHMOREのような充足可能性を調べる定理証明系では区別されることのない"偽"と"不定"を仮説推論においては判別する処理を行なわなければならない。本稿ではその際の処理においても関連性の概念を用いることにより、冗長なOR分岐の抑制ができることを示す。