著者
山田 雅之 Rahmat Budiarto 伊藤 英則 世木 博久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.497-504, 1994-03-15
被引用文献数
8

アヤトリはひもを指に絡めて、その変形を繰り返すことによってさまざまな形を作り出すことができる。本論文では、アヤトリのひもの変形遇程の表現の方法と、この表現に基づくひも図形処理の方法について述べる。まず、指の動作によってひもが変形してゆく過程を表現する方法として、いくつかの基本動作を定義し、これ参に対応する図形をそれそれ重ね合わせる方法を提案する。次に、アヤトリの出来上がり形をこの重ね含わせ図形から生成するアルゴリズムについて述ぺる。最後に、この生成アルゴリズムの有効性をプログラムを作成して確認する。
著者
真野 淳治 中村 剛士 世木 博久 伊藤 英則
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.806-814, 1997-04-15

計算機を用いて毛筆文字を出力する際,文字入力するユーザの筆速や筆圧などの個性に応じてかすれやにじみを付加して表現する方法は出力文字の多様性を図るうえで興味深い.我々は,フラクタル計算法を用いたかすれ表現と,ファジィ計算法を用いたにじみ表現を行うシステムについて報告した.本稿では,くりこみ群計算法を用いた新たなかすれとにじみの表現方法を提案する.この方法ではかすれとにじみを同一方法で表現できる特徴を有する.すなわち,筆内部での墨量の変化に着目し,墨が筆先に染み込む様子をくりこみ群を用いて表現し筆モデルを作成する.次に,このモデルを用いて筆内部の墨量の変化と紙に染み出す墨量を表現し,ユーザが入力機器として用いる電子ペンの筆速と墨量によりかすれとにじみを疑似的に表現するシステムを試作した.また,かすれ具合の1つの評価としてフラクタル次元の解析により実際の毛筆文字のかすれ具合とフラクタル計算法を用いた毛筆文字のかすれ具合との比較評価の結果を示す.
著者
中村 剛士 真野 淳治 世木 博久 伊藤 英則
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.1008-1015, 1997-05-15

本論文では,TrueTypeなどの既存の毛筆フォントを処理し,疑似的な掠れまたは滲みのある毛筆フォントに変換出力する手法について述べ,本手法により作成した掠れ・滲み毛筆フォントを例示する.本システムでは,まず,毛筆フォントを入力し,これを2値画像に変換する.次に,2値画像フォーマットに変換した毛筆フォントを細線化し,毛筆フォントの文字骨格を獲得する.さらに,文字骨格を構成する各画素上に,筆触カーソルと呼ぶドットパターンを配置していく.以上の処理を実行し,入力毛筆フォントを疑似的な掠れまたは滲みのある毛筆フォントに変換出力する.なお,掠れおよび滲みの変化については,それぞれパラメータを設定することで多彩に表現することが可能である.
著者
上之園 裕二 都築 佳生 犬塚 信博 世木 博久 伊藤 英則
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第54回, no.人工知能と認知科学, pp.267-268, 1997-03-12

名曲と言われるクラシックなど私たちが心地よいと思う音楽の多くは、1/fゆらぎを持っていることが知られている。また自然界においても風や星の瞬きの多くが1/fゆらぎを持っていると言われ、風が起因となる木の葉のゆれも、1/fゆらぎを持つことが推測される。本稿では、自然界の木の葉の軌跡が1/fゆらぎを持つことを確認し、その軌跡に基づいて心地よいゆらぎをもつ音楽を生成するシステムを提案する。
著者
伊藤裕一朗 山田 雅之 宮崎 剛 世木 博久 伊藤 英則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.249-258, 1996-02-15
被引用文献数
6

本論文では 編物の紐状態を3次元紐図形としてとらえ これを表現し 紐図形の模様表示を支援するためのシステムについて述べる. このシステムは編み手順を表す記号列から編物のできあがり模様の3次元イメージを計算機を用いて生成し これを表示する. この紐図形生成の過程では ライデマイスター移動処理と力学的移動処理に基づく変形処理を逐次的に紐の交差点に対して施す. また 複数の交差点移動を効率的に行うために適応型移動係数を提案し その効率を評価した. さらに いくつかの例を通してこのシステムで提案した方法の有用性 および生成される図形の妥当性を示す.In this paper, string states of knitting patterns are represented by three-dimensional string diagrams, and a system for supporting knitting pattern displaying is described. This system generates and displays a three-dimensional knitting pattern from a table of notations which represents a knitting process. To generate a string diagram, this system repeatedly performs a transformation processing based on both Reidemeister movements and a string-tension movement, to crossing points of the string diagram. Also, an adaptive move coefficient is presented to execute the string-tension movement efficiently, and its effect is evaluated. The usefulness of the proposed methods and the validity of generated diagrams are verified by some examples.
著者
ロー トッド 伊藤 英則 世木 博久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.849-861, 1995-08-15
被引用文献数
4

本論文は、ファジィ推論を用いた濃淡値イメージからのエッジ抽出について述べる。ここではエッジ抽出はイメージフィルター段階、抽出段階およびトレーシング段階の3段階に分ける。イメージフィルターの段階では局所的な画像特徴によってガウス関数の広さと方向を制御する。つぎに、フィルター処理されたイメージから、局所的な画像特徴によって様々なピクセルのファジィメンバーシップ値を評価することにより、エッジ抽出を行なう。最後に、ファジィ推論を行ない、高いファジィメンバーシップ値を持つピクセルをトレースして、エッジを構造的に組立てる。なお、フィルター、抽出およびトレーシングのアルゴリズムを複数のイメージに応用し、既存のエッジ抽出方法との比較についても述べる。
著者
山田 雅之 Rahmat Budiarto 世木 博久 伊藤 英則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.8, pp.1573-1582, 1997-08-15
被引用文献数
1

本論文では点を含む紐図形のトポロジカルな性質について述ベる.点を含む図形の表示方法としてネットハンドル表示を定義し,この表示の任意の変形が制限のあるライデマイスター移動と,新たにここで定義する3種類の変形の組合せで表現できることを示す.この変形をアヤトリ図形の処理に利用し,その効果を示す.また,紐図形の位相不変量(特性量)となる多項式を定義し,これを用いてアヤトリの紐状態の特性量を抽出する.さらに,ある多項式変換がアヤトリ動作に対応することを示す.In this paper,we describe topological characteristics of string diagrams including some dots.We represent the string diagrams by Net-Handle representation and show that any deformation of Net-Handle diagrams is equivalent to a combination of restricted Reidemeister moves and new three deformations which are defined in this paper.We apply these deformations to a cat's cradle diagram processing and show their usefulness.Furthermore,we describe a characterizing method of string states of cat's cradle.This method uses a knot polynomial.Then,it is shown that a polynomial transformation can be corresponded to a cat's cradle action.
著者
伊藤 啓司 笠田 洋和 世木 博久 伊藤 英則
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.155-156, 1995-03-15

詰将棋は、攻め方が王手をかけ続け、それに対して受け方が逃げる手順を考えるというパズルゲームの1種である。双方が最善を尽くして詰みに至る手順を示すことが、詰将棋を解くこととなる。与えられた問題に依存するので一概にはいえないが、詰将棋のある局面に対して十数手の王手が存在し、その王手それぞれに対して数手の受け手が存在する。本稿では、与えられた局面において、複数存在している手を並列に探索する手法について述べる。なお、並列計算機は富士通AP1000を使用し、プログラム作成にはC言語を使用した。
著者
中村 剛士 真野 淳治 世木 博久 伊藤 英則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.1008-1015, 1997-05-15
被引用文献数
4

本論文では,TrueTypeなどの既存の毛筆フォントを処理し,疑似的な掠れまたは滲みのある毛筆フォントに変換出力する手法について述べ,本手法により作成した掠れ・滲み毛筆フォントを例示する.本システムでは,まず,毛筆フォントを入力し,これを2値画像に変換する.次に,2値画像フォーマットに変換した毛筆フォントを細線化し,毛筆フォントの文字骨格を獲得する.さらに,文字骨格を構成する各画素上に,筆触カーソルと呼ぶドットパターンを配置していく.以上の処理を実行し,入力毛筆フォントを疑似的な掠れまたは滲みのある毛筆フォントに変換出力する.なお,掠れおよび滲みの変化については,それぞれパラメータを設定することで多彩に表現することが可能である.In this paper,we describe the approach to generate artistic calligraphy characters which have scratched look or blurred.The artistic characters which our system generated are shown in this paper.The system generates artistic characters from the original calligraphy fonts which are TrueType,Bitmap,and so on.The process of the system is divided into the following stages.In the first place,an original calligraphy font is inputted,and it transforms into bitmap image.In the second place,the skeleton of the image is found by using thinning algorithm.Furthermore,brush-touch cursors are placed on each pixel of the skeleton.The brush-touch cursor is expressed as dot patterns.By the above process,scratched look and blurred are expressed on calligraphy characters.Some parameters which users can set make it possible to express artistic calligraphy fonts which have variety of the scratched look and blurred.
著者
島尻 優香 加藤 昇平 世木 博久 伊藤 英則
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.213-214, 1994-03-07

仮説推論の研究に関しては、その理論的枠組の提案、効率的な推論システムの実現方法、並びに診断・設計問題などへの応用など、多くの研究結果が報告されている。我々は、すでにホーン節で表現された論理知識ベースを対象とした仮説推論の効率化手法について提案した。そこで、本稿ではより表現力の高い不確定論理データベースを対象とした仮説推論について述べる。不確定論理データベースのような非ホーン節(non-Horn 節)集合を対象とした推論方法として最近提案された定理証明系SATCHMOREがある。本研究では、 SATCHMOREで導入されている"関連性(relevancy)"の概念を仮説推論に適用することを考える。不確定論理データベースに対する問合せの答としては、"真(true)"、"偽(false)"、"不定(unknown or possibly true)"の三つが考えられる。そこで、SATCHMOREのような充足可能性を調べる定理証明系では区別されることのない"偽"と"不定"を仮説推論においては判別する処理を行なわなければならない。本稿ではその際の処理においても関連性の概念を用いることにより、冗長なOR分岐の抑制ができることを示す。