著者
島村 直幸
出版者
法学新報編集委員会
雑誌
法学新報 (ISSN:00096296)
巻号頁・発行日
vol.123, no.7, pp.517-546, 2017-01-16

古代から中世、近代から現代までの帝国の興亡史を描く。古代のローマ帝国や中華帝国は、一定の地域に限定された「地域帝国」であった。イスラーム帝国は、「陸の帝国」であった。これに対して、近代以降のヨーロッパの大国は、「海の帝国」であった。ただし、ヨーロッパ地域では、同時に「主権国家」「国民国家」であった。現代のアメリカは、「植民地を持たない帝国」「非公式の帝国」である。ソ連邦の崩壊で、「公式帝国の時代」は終わった。ただし、中国を「残された最後の陸の帝国」と見ることもできる。