著者
島津 智一
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1125-1127, 2013-11-01 (Released:2013-11-29)
参考文献数
8

群発頭痛は不明な点が多く病態は明らかにされていない.これまで視床下部generator起源説,ニューロペプチド変化より三叉神経血管説,内頸動脈周囲起源説そして三叉神経過剰興奮が副交感神経活性化説などの仮説が提唱され,PET研究で発作時に視床下部の興奮が報告された.最近,群発頭痛は自律神経症状を呈することから,国際頭痛分類第2版において,「群発頭痛およびその他の三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)」に分類された.TACsの機序として三叉神経系活動が高まり,この興奮が上唾液核に達して,翼口蓋神経節から頭蓋内の大血管や涙腺・鼻粘膜にいたる副交感神経系が興奮し自律神経症状を呈すると考えられている.