著者
熊本 睦 島田 茂夫 飯田 敏幸
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.97-98, 1992-09-28

人間のように融通のきく柔軟な理解や判断を計算機に持たせることを目的として,量的な判断常識を備えた人工知能の研究を進めている。量的判断には,与えられたデータの中での大小を判断する相対的な量的判断と,万人の共通する常識から大小を判断する絶対的な量的判断の2種類がある。相対的な量的判断については,量的判断知識を表現する概念知識と定量化知識,および,量的判断能力を実現する推論機構と定量化機構から構成される人工知能で実現した。絶対的な量的判断のためには,さらに,量的判断の基準となる常識的な数値(常識値)や,常識値間の関係(常識関係)が必要となる。本稿では,常識値や常識関係の表現モデルとそれらを用いた量的判断手法について述べる。