著者
松澤 和光 飯田 敏幸 松田 晃一 今井 賢一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.155-156, 1996-09-04
被引用文献数
1

個人がネットワークを通じて膨大な情報を扱えるようになりつつあるが、真に自分の望む情報を手に入れるのは簡単なことではない。そもそも望む情報が何であるかさえハッキリしない場合も多い。このため、検索対象を明確に指定する従来法に代わって、対象が漠然としていても柔軟に検索が行える新しい方式が必要とされている。こうした要求に応えるため、検索を進めながら対象を明確化する「想起型情報検索方式」を提案した。本稿では、この提案を実現するための具体的な機構として、NTTが開発した「概念ベース技術」を利用する方法を述べる。また、この機構を使った新聞記事の検索システムについて、その基本構想を述べる。
著者
飯田 敏幸 松澤 和光 松田 晃一 池原 悟 石野 福弥 今井 賢一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.153-154, 1996-09-04
被引用文献数
1

印刷物やインターネットを通じて提供される情報の量は日々増加し,我々人間が利用できる能力をはるかに越えている.そこで,必要な情報を適切に,しかも簡易に選択できるための新しい情報検索システムが必要である.今迄,情報検索のためのシステムが多数開発されてきたが,余り使い易いものではなかった.情報検索システム(ここでは文献検索システムを想定する)の利用の仕方には以下に示す各種のレベルがある.【レベル1】文献の題名,あるいは,文献を特徴付けるキーワードが分かっている.【レベル2】題名,キーワードは明確ではないが,探したい対象は明確である. 例:こんなことが書いてある.【レベル3】対象が漠然としている. 従来の情報検索システムでは,いくつかの質問キーワードの羅列,あるいは,それぞれに重みづけがされた論理式を利用者が与えなければならなかった.即ち,従来の情報検索システムは,レベル1または2の利用者を前提としていた.そこで,レベル3の利用者も同じインタフェースで利用しなければならず,これが使いにくさの原因の1つである.また,キーワード方式の従来の情報検索システムでは,システムに入力する質問キーワードの個数が少ないと,検索対象の絞り込みが十分にはできないために,検索の効率が落ちてしまう.そこで,検索効率向上のためには,沢山のキーワードが必要となるが,人手で沢山のキーワードを指定するには限界があるという問題がある.
著者
熊本 睦 島田 茂夫 飯田 敏幸
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.97-98, 1992-09-28

人間のように融通のきく柔軟な理解や判断を計算機に持たせることを目的として,量的な判断常識を備えた人工知能の研究を進めている。量的判断には,与えられたデータの中での大小を判断する相対的な量的判断と,万人の共通する常識から大小を判断する絶対的な量的判断の2種類がある。相対的な量的判断については,量的判断知識を表現する概念知識と定量化知識,および,量的判断能力を実現する推論機構と定量化機構から構成される人工知能で実現した。絶対的な量的判断のためには,さらに,量的判断の基準となる常識的な数値(常識値)や,常識値間の関係(常識関係)が必要となる。本稿では,常識値や常識関係の表現モデルとそれらを用いた量的判断手法について述べる。