著者
岩﨑 和弘 島田 透
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部研究紀要クロスロード (ISSN:1345675X)
巻号頁・発行日
no.24, pp.11-18, 2020-03

中学校理科における光の扱いは,幾何学的な規則性に基づいて理解させることをねらいとする。このため,教科書でも扱われるプリズムによる光の分散や雨上がりの空に見られる虹など,光が関係する現象をしっかりと理解させることはできない。そこで,中学校における光に関する学習の最後に,発展的学習として,光が波の一種であることを生徒に伝える授業実践を行った。本授業実践の導入で行った偏光を利用した科学マジックは,生徒の興味や関心を発展的学習に効果的に向けさせることに有効であることが分かった。授業後に回収したワークシートの記述から,光が波の一種であることや偏光について対象生徒の60%がしっかりと理解できたことを確認した。また,日常生活で目にする液晶ディスプレイなど,波としての光の性質を活用した具体例については,ほぼすべての生徒が理解できていたことを見て取ることができた。