- 著者
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稲垣 耕作
嶋 正利
- 出版者
- 情報文化学会
- 雑誌
- 情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
- 巻号頁・発行日
- vol.7, no.1, pp.3-10, 2000-11-18
アトムからビットへの革命という視点から, 情報パラダイムに幾つか検討すべき側面を付け加える。本論文の立場は, アトムとビットは単に対立概念でも無関係概念でもなく, その間の密接な関係を見出すことが情報パラダイムに大きな重要性を付け加えるとのものである。われわれの理論研究は, 物質保存則と計算万能性が自己増殖性によって橋渡しされるとのもので, 物質パラダイムと情報パラダイムにおける根本概念が生命科学でつながれるとの物質・情報・生命の三角形を構成する。このような理論は自然科学パラダイムの情報・生命シフトを予感させるとともに, 従来の物質の物理学で体系化しきれない自然の学を示唆する。ただ情報パラダイムは物質パラダイムの測度でとらえきれない問題を含み, そのような数理が経済や著作権問題を含めた今後の広範な社会の諸問題に影響していくものと思われる。