著者
海老田 大五朗 酒井 りさ子 嶋津 祐輝
出版者
新潟青陵学会
雑誌
新潟青陵学会誌 (ISSN:1883759X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.25-35, 2019-03

本研究の目的は、自己覚知を自己理解と同一視することによって生じる「実習教育の死角」を顕在化させることである。同時に、ソーシャルワーク実習教育において、実習生の気付きを言語化することの重要性を示す。本研究では2つの実習指導ケースを用いて、2つの考察をした。1つは「自己覚知」から「倫理的葛藤の解消」へと結びついたケースを記述した。もう1つは、「自己覚知」から、実践で共有される方法論の記述と結びついたケースを記述した。実践で共有される方法論を記述することの意義を述べ、実習生の自己覚知を促すことによって記述の精度を上げるべきポイントを特定し、「気付き」そのものを実習指導教育に生かす方法を例示した。