著者
嶋田 由紀
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、ドイツ統一以降のテレビ・映画のエイズ予防啓発広告におけるセクシュアリティを表象分析した結果、エイズ予防としての性交時のコンドームの装着の奨励というメッセージが旧東西ドイツ時代のタブーや性規範を乗り越える形で映像化され、発信されていることが明らかになった。エイズ表象は、単なる衛生政策としてではなく、社会の性規範とその変遷から生み出されるきわめて生政治的なものとして考察される必要性を浮き彫りにした。