著者
大沢 一貴 大沢 牧子 嶽本 剛平 佐藤 浩
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.272-277, 2007-12-25 (Released:2010-07-21)
参考文献数
8

セルロース製スポンジモップ (Sモップ) の性能評価の一環として, 清拭効果を模擬汚れ使用による汚れの捕捉効率で評価し, 一方, 細菌増殖性と保水量との相関についても検討し, あわせて混糸製モップ (フラットモップ, ケンタッキーモップ) との比較検討を行った. Sモップの汚れ捕捉効率は, タルク, 蛍光クリーム, 濾紙粉末のいずれにおいてもほとんど回収残しがなく, 最も優れていた. また, 器械絞り後の保水量および室内乾燥中の保水量は, Sモップが最も少なく, これに相関して細菌の増殖性も低レベルであった. Sモップでは, 専用絞り器を使って器械絞りをし, 湿度70%以下の室内に放置すれば, 細菌増殖が起こりにくい微保水レベルに速やかに移行させることができ, 次回の清拭時に床面に細菌を持ち込まない作業が可能であった. 汚れ捕捉効率が高く乾燥に優れたSモップと専用絞り器をセットで使用することは, 環境中からの易感染宿主感染防止の点で, きわめて有効に機能することが示唆された.