著者
川又 優 関口 徹 中井 正一
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.16, no.8, pp.8_32-8_41, 2016 (Released:2016-07-25)
参考文献数
8

本研究では千葉県内の自然斜面及び、切土施工によって表面の軟弱な地盤を切り取った切土斜面を対象とし、それぞれの震動特性の評価を行った。斜面の法肩部と台地上の平坦な部分に地震計を設置し地震観測を行ったところ、自然斜面法肩部で地震動が大きく増幅していることが確認できた。そこで、地盤調査の結果に基づき地盤構造をモデル化し、2次元FEMを用いた動的解析による伝達関数の計算を行った。その結果、1次元解析では再現できない自然斜面法肩部での増幅特性を2次元解析で再現でき、斜面形状だけでなく台地端部表層の軟弱層が地震動を大きく増幅させることを確かめた。