著者
渡邊 淳司 川口 ゆい 坂倉 杏介 安藤 英由樹
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.303-306, 2011-09-30 (Released:2017-02-01)
参考文献数
11
被引用文献数
3

You don't usually care about your own heartbeats, unless you are in a specific situation such as when getting nervous or injured. In the workshop your heartbeats are externalized with a concise system, which is composed of a vibration speaker and stethoscope. Heartbeat sounds taken by the stethoscope are sent to the vibration speaker via information processing circuit, and the system enables you to hear and touch states of your own heartbeats, and to exchange them with others. This workshop is aimed to provide a gut feeling of living self. The current paper describes the concept of workshop, and reports the participants' comments.
著者
坂倉 杏介 川口 ゆい 渡邊 淳司
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2772-2781, 2009-12-15

筆者らは,身体の内外を移動するように感じられる音を提示し,聴覚によって位置づけられる自己の感覚を再認識するワークショップ(「HERE/HEAR『いることと聴くこと』のワークショップ」)を企画,実施した.本論文では,このワークショップにおける体験デザインの指針を,ハードウェア,音響コンテンツ,ワークショップシナリオの視点から論じ,実施結果を考察する.ハードウェアは,3つの音響装置:トランジスタラジオ,超音波スピーカ,環境スピーカで構成され,参加者はシュラフに身を包み,床に横たわりながら,これらからの音を聴いた.音響コンテンツは大きく,1)環境を再現する音,2)身体内部音・感情と関連する音,3)声・言葉,の3種類に分けて構成された.ワークショップの実施にあたっては,それぞれに分類される音響コンテンツを聴いた後,その感覚を参加者同士で対話,共有し,徐々に体験を深める形式で進めた.ワークショップを通じて,参加者は,音と自己の位置づけ,それにともなう感情や身体状態の変化への気付きなど,聴覚とそれに強く関連した自己の存在に関する感覚をそれぞれのやり方で感じることができた.